次の記述は適切か不適切か
・H形断面梁の設計においては、横座屈を考慮する必要がある。
・荷重面内に対称軸を有し、かつ、弱軸まわりに曲げモーメントを受ける溝形鋼については、横座屈を考慮する必要はない。
・H形鋼の梁の横座屈を拘束するために、圧縮側フランジに補剛材を配置する。
答えは3つ全て〇です。
横座屈
ちょっとぴんとこない人が多いと思います。
この定規、見たことくらいはありますよね。
このような部材を仮に梁に使う場合、縦にするか横にするか。
そうですね、横にするとたわみますが、縦にすると多少の力ではたわみません。
断面二次モーメントを考えた場合、
縦にした左の方が大きな値になります。この場合の軸が強軸です。(右側が弱軸)
通常、この強軸に対して力がかかるように梁を設置するのですが、
とても大きな力がかかった場合、この定規はどうなるか。
真下に曲がらずに、弱い方、つまり横方向にはらんでしまいます。これが横座屈です。
弱い軸(弱軸)に対して力がかかる場合は、横座屈については考える必要はありません。
また、補剛材を配置することによって、横座屈を防ぐことができます。
ちなみに、
・梁の横座屈を防止するために、板要素の幅厚比が制限されている。
この記述は、横座屈ではなく局部座屈にすると正しい記述になります。