次の記述は適切か不適切か。
・圧縮材においては、細長比が大きい部材ほど、座屈の許容応力度は小さい。
・鉄骨部材は、平板要素の幅厚比や鋼管の径厚比が大きいものほど、局部座屈を起こしやすい。
細長比、幅厚比、径厚比
大きいと小さい、どっちがどうなんでしょう?
ここは、きちんと覚えておかないと、勘違いしてしまうところです。
まず、
この3つ、関係性は同じです。
そして、全て大きいほど弱くなります。
つまり、はじめの2問は共に〇です。
許容応力度は小さい。そして、局部座屈をおこしやすい。です。
大きいほど弱くなる。もしくは公式を覚えておけば迷わずに解けますが、
もし迷った場合、幅厚比を考えるとわかりやすいです。
幅厚比 /幅と厚みの比
左は1:1 右は1:4
右の方が大きいですよね。でも、断面積は同じです。
そして、座屈しやすそうなのは、
そう、右側です。
つまり、幅と厚みの関係は、
大きい方が座屈しやすい = 小さい方が座屈しにくい
と、なります。
もちろんこれは、細長比と径厚比も同じです。
迷ったら、幅厚比を思い出して下さい。
大きいほど薄くなります。つまり、弱く、座屈しやすくなります。
幅厚比、径厚比にはこんな問題もあります。
・鋼管には、局部座屈を起こさないように、管径と管厚の比の限度が定められている。
・部材がほぼ降伏点に達するまで局部座屈を起こさないようにするため、平板要素の幅厚比が定められている。
もちろん、両方とも〇です。