【問題】 下に示すネットワーク工程表において、Bの作業のトータルフロートとフリーフロートは何日か。
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《 正解 4》 トータルフロート3日 フリーフロート2日
トータルフロートとは、作業を最も早く始め、後続する作業を、工期に影響ない範囲で最も遅く開始してもよい時刻で始める場合に生ずる余裕時間。
フリーフロートとは、作業を最も早く始め、後続する作業も最も早く開始できる時刻で始めてもなお存在する余裕時間。
ちょっとわかりにくいですよね。
ここは、「二級建築士はじめの一歩」の説明を見てみることにします。
このテキストでは、ゆこさんとまるこさんが、サンドイッチをつくる作業を工程表にしています。
行なう作業は次の5つです。
A どんなサンドイッチを作るか2人で考える 4分
B 野菜を洗って切る(まるこ) 3分
C パンに野菜を挟んでお皿に盛り付ける(まるこ) 6分
D パンの耳を切ってマヨネーズを塗る(ゆこ) 5分
E コーヒーを淹れる(ゆこ) 7分
ネットワーク工程表にすると、このようになります。
ここで問題です、サンドイッチとコーヒーの全てが出来上がるまでに最短で何分必要でしょうか?
そうです。16分です。その経路は、A→D→E となります。
二人で考えて、ゆこさんがマヨネーズを塗って、コーヒーを淹れる。
この作業経路が一番長く時間がかかり、最短で16分後に食事ができます。
では、ゆこさんがコーヒーを淹れるのを5分で行なったら、完成までの時間はどうなるか?
2分縮まるので14分?
いいえ違いますよ。
今度は最長経路がA→D→C となり、15分かかることになります。
このように、一番長くなるパスをクリティカルパスと言います。
工事を予定通りに進めるには、このクリティカルパスの管理が最も重要です。
例えば、
クリティカルパスに関係のないBの作業は1、2分余計にかかっても、完成する時間は同じですが、
DやEの作業が延びると、延びた分だけ完成は遅くなってしまいます。
それから、
DからCに移るところの線が点線になっています。これをダミーと言います。
Dが終わらないとCの作業を行なうことができません。このように作業の前後関係を表すのがダミーです。
ではここでもう一つ問題です。
Bの作業には何分の余裕がありますでしょうか?
「2分!」
そうですね、Bの作業は5分かかったとしても、Dの作業が5分かかりますので、Cの作業を開始できる時間は同じです。
でも、ちょっと見方を変えてみて下さい。ゆこさんはDの作業の次に7分かかるEの作業があります。
まるこさんはCの作業を6分で行うことができますので、実はBの作業は6分かかっても、完成までの時間は16分と変わらないのです。
つまり、全体でみると3分の余裕があることになります。
この場合、次の作業であるCの開始時間に影響を与えない余裕時間(2分)をフリーフロートといい、
全体の工期に影響を与えない余裕時間(3分)をトータルフロートと言うのです。
まるこさんとゆこさん
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