「いかに自分を律するか」  みっちゃん

<< 学科編 >>
資格学校に通わずに独学で二級建築士の資格を取ると決めて、初めて手に取ったテキストが最端製図の「はじめの一歩」だったと思う。所帯持ちで子供たちも大きいので今さら資格試験に大金をつぎ込む余裕も、そんな気も最初から無かったので出来るだけ最小限のコストで臨みたかった。

幸い今はインターネットであらゆる情報が手に入る。手に入るからこそ自分に合うやり方に出会うのは本当に難しく、これはもう感じるとかピントが合うとかいう感覚なのだと思う。テキスト1冊にしても冒頭の文字の書き方やフォント、イラスト一つで気に食わない(合わない)のは当たり前。そんな中で最端製図に出会いました。

これはいけると感じたので、学科クラブに申込み初年度は短期間の勉強時間で臨みましたが結果、Ⅱ法規のみ1点足らずで足切り。しかも最後の最後に迷って書き直したところが間違い。総得点ではクリアしていたので、敗因は時間配分だと分析。独学のメリットでもありデメリットでもある「時間を自分で自由に設定できるという縛りのない状態」が、時間のかかる法規での焦りにつながった。

勉強はしていたが試験まで一度も時間を計ったテスト形式でやっていなかった。ただの一度も。これが資格学校ではありえない、独学の一番ダメなところと感じた。限られた貴重な時間を学校に通って、勉強だけに集中できる環境を手に入れられる。これが資格学校にお金を払う唯一の理由のような気がする。

初年度は学科で不合格だったけど「もう一年勉強できる機会が得られた」と考え前向きにとらえた。苦手な法規を中心に時間を計って法令集を目次から引く練習を繰り返した。「法規はペーパーアドベンチャー」。目次から引けば答えにたどり着くと考え、線引きに工夫をした。法令集もTACのカラー版に変更した。

結果次年度は余裕をもって学科合格を果たした。法規に関しては25点中23点取れた! 試験直前の見直しに要点をノートにまとめていたが、途中で気づいた。

「あれ? このまとめた要点 全部 はじめの一歩に書いてある!」

― 学科編終了 ―

 

<< 製図編 >>
初年度、学科の不合格を受けてしばらくふさぎ込んでいたが「たった1点。次、受からないはずがない」と奮起し、次の学科は受かる前提で最端製図の通信添削講座に前半戦講座から申し込んだ。

まだ本試験の設計課題が出てないので学科の勉強と並行しながら一般的な木造課題で製図の勉強を始めた。製図版はメルカリで1万円で入手した(一級受かったという人から買いました。これが後ですごく功を奏する)。

最初は図面1枚描くのに10時間とか余裕でかかりました。朝からやって休憩しながら夕方までかかってやっと1枚・・・へとへとだ。
「これ無理やろ」。平面に200分、矩計に180分。何をどこからどうやって書けばいいのかわからない。伏図だけは「伏図攻略テキスト」により理解は出来たが、いざ自分のプランで描くとなると手順が確立しない。小屋組が何度やっても間違える。これは理解出来ていない。木造課題はただでさえ時間がかかるという。困った。

設計課題をこなしていくが、ここでも独学のダメなところが分かってきた。課題の提出まで何日もかけて時間を気にせずに「体裁の良い図面に仕上げようとしている」。誰にも見られてないからね。エスキース90分でまとまりました(休憩中もずっと考えていたくせに)。平面図120分で描けました(ほんとはあとでいっぱい修正してるくせに)。せっかく添削してもらえるのに、ミスを指摘されるのを恐れてかっこよく仕上げようとしているだけでは?と自問自答する。前半戦講座はこんな感じで悶々と過ぎていった。

 

■ 前半戦での改善点
・平面の柱をテンプレートを使わずに描かなくなってから、製図スピードが劇的に上がった。
・YouTubeのいろんな動画を見て「いい」と思ったものはどんどん採用した。
「つもるチャンネル」はとても参考になった
・エスキース用紙を4つ折りにしてからプランがまとまりやすくなった。

設計課題が「保育所」と決まった。前半戦講座だけの仕上がりでは全然戦えないと感じた。当初よりあまりお金をかけずに試験に臨みたかったので、後半戦講座はどうしようかと思っていたが、奥さんに相談したところ「やっとき!」と即答だった。資格学校に通ってない時点で、それ以外にお金を惜しんでいる場合ではない。資格学校に比較すれば最端製図は価格破壊。これを生かすも殺すも自分次第。

テーマが決まればプランニングは割と楽しかった。実際の保育所に仕事柄現調に行く機会もありイメージはしやすかった。子供用トイレめっちゃちっさくてかわいかった。

後半戦講座の課題は少し意地悪に感じた。滑り台や駐車スペース3台は悪意を感じた。しかし、市販の設計製図課題をやって分かった。最端製図の課題はめちゃめちゃ考えてある!それに比べて〇〇の課題〇などはいまだに恨んでいる。そんなトリッキーな間取り、絶対本番で考えつかんやろ!俺の時間を返せ!

最後の1か月は一日一エスキースを実践した。一時間早く出社して始業まで会社の机で60分間のエスキースを毎日行った。出来なくても60分で切り上げる。2周目に入るころにはだんだんまとまるようになってきた。一度やった課題も2回目は違う視点からプランニング出来た。週末は平日にプランニングしたエスキースを順番に図面に仕上げた。

8月中旬、製図用紙の入ったケースを体を伸ばしてとろうとしたときにギックリ腰になってしまった。椅子に座っていられない。やってしまった。これはまずい。さらに同時期にコロナにかかってしまった。オワタ・・・二週間後、日建の模試。ギリギリ受けられるかなぁ。

幸い症状は軽く、きっちり療養期間をとって模試を受けることができた。しかし腰は痛いまま。コルセットを巻いて模試を受けた。
集中してたのでそれほど痛みは感じなかったが日建の模擬試験課題は盛りだくさんで難度が高く、資格学校のレベルを見せつけられた。
結局完図出来ず、劣等感だけを感じて帰ってきた。出来ている人は矩計のバルコニーやフローリングまで得意げに描いている。こちらは最低限なのに・・・

療養期間中は心も体もつらく、まともに図面も描けていない。少し諦めかけていたが、この期間に腰の痛さから必殺技を編み出した。
図面の上の方を描くときに少し腰を上げて描いていたが腰が痛くて出来ない。製図版を手前に寄せた時に、製図版の手前の足が机から落ちた。お腹につくくらいまで製図版を手前に寄せてみた(足は落ちている)。あれ、これ描きやすいぞ。しかもなんか足がないのにしっかりしてる。裏を見るとメルカリで買った製図版の手前の足の上10センチくらいにクッションスポンジが貼ってある!え。こうやって使うもの?(←多分違う)。おかげで本試験のめっちゃちっこい学校机でも問題無く作図が出来た。「手前落とし」と名付けた。

最後の1週間は最端製図で前半戦講座から指摘を受けた個所を全部まとめ、自分が描いた図面に落とし込み赤で描き直した。新たな課題には挑戦せず復習に徹した。市販の課題は問題に無理や矛盾があるように感じたので、最端製図「基本課題」に立ち返り何度も見直した。エスキースコード・伏図攻略テキスト・各課題の解説は前日にもう一度なぞった。独学は誰にも頼れないので頭の中で試験当日のシミュレーションを何度も行った。最後に「本番前チェック事項!」のシートに全てまとめて本番に挑んだ。

試験当日は車でかなり朝早く出て、会場周辺の駐車場(少し離れたところ)に陣取った。もう受験生がぞろぞろと駅から歩いて会場に向かっていた。(私は腰が痛く製図版を担いで電車で行くのは無理と感じ、また無駄な体力を使いたくなかったので車で行きました。すみません。)

会場に入ると案の定 机が小さく幅も奥行きも無理がある。皆さんギリギリで製図版を載せてセッティングされていたが、私は秘技「手前落とし」で難なくセッティングできた。文具も最小限で、机の上には必須の文具のみ。予備の文具は足元の口を開けたカバンにさっと取り出せるよう突っ込んでおいた。受験生の中には要塞のように什器をセットしている方もいてびっくりした。

試験教室はコロナ禍のため出入り口が解放されており空調はされていたようだがめちゃめちゃ暑かった。普段快適な家でしか図面を描いてなかったので、手汗で手のひらが製図用紙にくっつく感覚、湿気を吸って用紙が膨張しているのか描いた線が消しゴムで消しにくい感覚に苦戦した。
せっかく持って行ったタイマーをスタートの合図で押すのを忘れていて、気づいたのは20分後だったので、時間は終了時間だけを気にすることにした。

エスキースは一階と二階のボリューム差、東側公園・東側立面に悩み、一度プランをやり直したが70分ほどでまとまった。本番の集中力で作図は過去最速のスピードで進んだ。腰の痛みは一切感じなかった。そして何をどんな順番で描いたかは全く思い出せない。ただ描くべきものを気づいた瞬間に描いていった。
見直し時間が40分も取れ、少し心に余裕を感じたが「最後の1秒まで」何度もチェックをした。問題用紙とエスキースを見ながら最端テンプレートを使って、各部の寸法を何度もチェックした。
反省点としては普段描いてない「蛇足」な事項を時間の余裕から描いてしまいこれが少なからず減点につながったと思う。

試験終了。この瞬間には「いけた!」と実感した。ゆっくり道具を片付けながら、ぼ~っとして何も考えられない。消しゴムのカスまできれいに掃除して持ち帰った。しかし帰りの道中「あれ描いたかな?」「なんて書いたかな?」と次から次へと不安が頭をよぎった。

帰ってから最端製図の掲示板に再現した簡易平面をアップした。いくつか分かっている問題はあったが致命的なミスはないように感じた。それでも相対試験であるので少しのミスの積み重ねが大きな失点につながることから不安は解消されなかった。

試験が終わって抜け殻のようになった。勉強に使っていた時間が空虚になった。試験が終わったらやろうと思っていたことも手につかない。
吹っ切るために「再現図面の採点」に申し込んだ。ここで点数が良くても本番の結果が変わるわけではないが、早く安心が欲しかった。出来る限り本番を思い出しながら再現図を丁寧に描いた。この再現図の採点はのちに「作品集」として配布されるらしい。落ちてる可能性はあるが、再現図の採点は本試験の結果に関係ないので受かってることだけを考え少しだけ丁寧に、計画の要点などはあとで思いついたフレーズを少しだけ盛って書いた。
再現図面の採点結果は、自分的には微妙だったが全体の半分には入っている感じがしてやっと少し解放された気分になった。

― 製図編終了 ―

 

<< 一級挑戦編 >>
せっかく勉強のクセがついたのに、ここで2か月も休息すると俺はもう二度と勉強できない体になるのでは? どんどんアホになっていくのでは? と考え、二級の結果が出ていない内から一級建築士の勉強を始めることに決めた。やりたかった趣味などはすでに頭の片隅から消えていた。

すぐに最端製図の一級学科クラブに申し込んだ。二級の学科はiPadだけでほぼ完結したが一級の学科は範囲も膨大でiPadだけでは足りないと感じ、勉強用のPCを新調した。勉強方法はYouTubeや合格者のブログなどを参考に自分なりに計画した。「大切なのは休まずに続けること」と肝に銘じた。

10月から一級の勉強を始め、Twitterのアカウントを勉強用にシフトし、モチベーションアップに努めた。「今日はなになにをやりました~」から「今日はこれを何分でやります」に変えて宣言することで自分にノルマを課した。
YouTubeの不要なチャンネルや、Twitterの商用と思われるアカウントや、ネガティブ投稿は全部ミュートやブロックをして整理し、モチベーションの上がるポジティブなものだけが目に入るようにした。ネコ関係だけは「癒し」として置いておいた。しばらくは画面がネコだらけになった。楽しく勉強できるようにアホな投稿を心掛けた。たくさんの同胞がいることに安心感と心強さを感じた。

 

12月1日(木)二級建築士試験合格発表日
前日からソワソワがおさまらない。発表は9:30頃とのこと。月初の朝礼から支店ミーティングと、仕事中だが心ここにあらず。ポチポチと仕事をするが数分おきに合格発表のページを、仕事をしているふりをしながらiPadでリロードしている。

来た!大阪の合格者のPDFを開く。すごく重い・・・「僕の胸が急スピードで高鳴る(マッキー)」今までの人生で何度か味わった自分の鼓動が耳で聴こえる感覚。受験番号は暗記している・・・5秒で見つけた!やった!やった!まじか!叫びたい気持ちをぐっとこらえ何度も確認する。何度も何度も確認した。
仕事中にこっそりTwitterのプロフィールを、「二級建築士合格見込(知らんけど)」から「二級建築士合格」に変えておいた。
気づいてくれた相互フォロワーさんが「おめでとうございます」と。
涙が出た・・・

神無先生 最端製図17期生の皆さん メルカリで製図版譲っていただいたホープさん(どこの誰だか知りませんが) Twitterのみんな ありがとう
ありがとうございます

― 一級挑戦編はつづく ―