「合格体験記」 kk
この度、2度目の受験で二級建築士試験に合格出来ました。
最端製図及び今後の受験生に一助出来れば幸いと思い、合格体験記送ります。
私の仕事は建築設備定期検査及び特殊建築物等調査というニッチな仕事をしておりますが、
これでも建築士でなければ仕事が出来ない業務の1つです(講習という逃げ道もありますが・・・)
ですから、管理建築士が1人居れば、設計が出来る設計事務所の方とはまた違い、建築士を取らなければ
いつまでたっても実力はあっても半人前・・・という独特のプレッシャーがありました。
●最端製図との出会い
1年目受験する際、試験直前にも係わらず、1式図を完成させるのに最短でも6時間掛かっていました。
そんな絶望的な状況を打開すべくネットで悪あがきをしていた際見つけたのが、最端製図のHPでした。
特に定規類を何種類と買い込んでいた自分には最端製図のオリジナルのテンプレートには衝撃を受けました。
このテンプレート2つとかなばかり図用の三角定規があれば何もいらない・・・。
先生の”本番では集中しているはずだから思った以上に時間を短縮出来る”というメッセージと
オリジナルテンプレートを使い本番に臨んだ所、生まれて初めて時間内に描けたのが本試験だったという
結果に自分自身驚きました。
結果は残念ながら不合格”ランクⅡ”でしたが、
来年は絶対に合格出来ると自信を付けたのは言うまでもありません。
2年目の前半はひたすら製図のスピードをアップや建築製図の知識を増やす事に専念。
意味もなく枚数を描くことに意味はないとも言われますが、製図に苦手意識のある方は兎に角、
ひたすら10枚~20枚描く事をお薦めします。
建築初心者には1本の線の意味も分からないので、基準線だけでも良いので、建築的な感覚を叩き込む意味で、
枚数を描く意味はあると思います。スケール感が身に付きます。
実際、基準線やモジュールの取り間違いを死ぬほどしました。1Kとかコマ(木造)の感覚が説明されても分からないのです。
体に身に付くまで反復する必要があります。
実際通信添削に参加したのは後半戦からでした。
ここからは建築的な知識を身につけるというよりは試験対策です。
ある程度自身を持って望んだ1回目の添削で衝撃を受けました。
平面図だけで真っ赤な添削・・・というかこの時点ですでに不合格。
私が勘違いしていたのは、建築士試験は最高のエスキスをする為でも、
いかに美しい図面を描くかという競技ではないということでした。
特記事項に反した記述は即減点。それが建築士製図試験です。室名の間違いですら減点対象です。
でも、先生の説明を聞きそれが当たり前なのだと納得しました。
いかに素晴らしい設計をしようともそれは自己満足であり、
問題文(クライアントの要望)に反した設計をしたらそれは当然、減点であり不合格になります。
それからは問題文を流し読みする事は少なくなりました。
●本試験
成績は安定することはありませんでしたが、
自分の中では自信をもって本試験を迎える事が出来たと感じていました。
エスキスから平面、伏せ図、立面と1貫して考える事が出来てきたからです。
建築的な基礎力が単なる見本のトレースに終始していた1年目とは大きく違っていました。
●大きな落とし穴
本試験では180平米にLDK、祖母室、夫婦寝室を納めなければならないタイトな条件で、
エスキスの後、面積計算をすると、どうしても2~5平米オーバーしてしまい頭が真っ白になってしまいました。
今年は諦めるかと思った程、エスキスが纏まりませんでした。
そこで起きたのが普段は3回は問題文を読み返すというルーティーンが崩れた事です。
1回目はじっくり読み。2回目にマーカーを引きながら読み、3回目にエスキス後の最終確認として読む というルーティーンです。
頭が真っ白になった結果、最後の3回目を行う事が出来ず、結局、玄関ポーチの床高の設定に失敗し、
屋内スロープを付け忘れるという痛恨のミスをしてしまいました。
試験後、最端のHPで痛恨のミスに気付いた時には顔面蒼白になりました。
復元図を採点してもらう気にもならず、合格発表まで気が気でない日々を過ごしました。
あれほど、先生にエスキスは60分というルーティーンは崩さない事と指導して頂いていたのに・・・・。
●合格発表
結果をHPで見た際は嬉しいというよりは、脱力しました。
あ・・・受かってると・・・。
●あきらめない
それでも合格出来たのは、最後まで諦めなかったことだと思います。
先生は最終チェックが大事とは言うものの、自分が正しいと思って描いた図面を残り10分程度で間違いを訂正
出来るはずはないと心の底では思っていました。
でも、図面を描き、復習をしていく内に建築的な知識が付いていき、10分程度あれば、自分の描いた図面ですら段々と客観的に見れる様になってきます。
わたしは残り5分で伏図の母屋と束の書き忘れを気付き、残り30秒で立面図に玄関庇を付ける事を忘れていた事に気が付きました。
これらをもし、気がつかなったら今回の合否はどうなっていたでしょうか。
●最後に
二級建築士試験は設計実務経験者でなくとも一発合格出来る試験です。
私は2度目の試験で合格でしたが、最端製図をもっと早く知っていたら・・・エスキスコードの存在をもっと早く知っていればと悔やんでいる・・・
というのは嘘で2年目で良かったと思っています。
建築的な知識が日に日に増加して行き、一式図を描くのが楽しくなっていました。
でも、実務で設計にあたっている方、どうしても資格が必要な方やスキルアップを考えてる方は一発合格を目指してほしいですし、
それが可能な試験だと思います。是非、自分の運命を変えてみてほしいです。
●最端製図に対して
DVDからテキスト、添削まで完璧な講座だと思いますが、木造建築初心者としてはそれでも敷居が正直、高かったです。
コマの便利さが分からない、畳換算??、基準線の取り間違えをしょっちゅう間違えるという人にも門戸を開いた講座であってほしいと思っています。
資格学校が推奨しているらしい??ひたすら何も考えず枚数を描くという方針も一理あると思っています。
基準線さえ描ければあとは肉付けすれば良いという基本中の基本が分かっておらず、
ディテールにひたすら拘ってる初学者も多いと思います。
かなばかり図も基準線さえ描ければあとは事務作業に近い(あくまで試験上は)という事がなかなかわからない・・・・。
そこから指導というよりそこを強調して指導してあげないといけない層がかなり居ると思います。
(私もそうでした・・・)
●伏図
最大の難関は伏図でしょうか。
テキストで理屈で分かっていても実際、自分が描くとなると難しかったです。
特に最端製図では1:1:2.5k等で水周り、廊下、部屋の割付を指導する事も多かったと思います。
生徒の良いプランを見ても伏図が本当に正しいか分からず、参考にならなった事もありました
(結局ベーシックな1:1:2kで貫いた)伏図も含めてプラン例を載せてほしかったです。
私は伏図が苦手な事が明白だったので、不合格がわかった翌年から、伏図の練習をしていました。
解答の平面図を見て伏図は隠し、自分で描いて見て解答と合っているか何度もひたすら練習しました。
平面図を見て単線で補強を描くだけなので、カフェや仕事場でも気軽に出来、
私は”伏図のエスキス”と勝手に名付けており、
毎日、昼休みや時間が無い日の寝る前など1日1本は宿題としていました。
全5回程度の講座だけでは初学者には伏図の練習は足りないかもしれません。
伏図100本ノックみたいな平面図から伏図をひたすら起こす講座があっても良いかもしれません。
●エスキス
エスキスについても、個人的に開発したのが、問題文にマーカーを塗るだけでは、結局焦っている時は収納や
納戸、時には主要室を設置し忘れてしまう事があると思いますので、数字を割り振っていました。
問題文の要求室数(収納含む)に数字をふり、エスキス完了後の図面の室に数字を振ります。
数があっていなければ問題文を読み間違えている可能性が大・・・・。
この方法で今回の本試験でも、納戸を設置し忘れていたのですが、設置忘れに気が付きました。効果絶大です。
等、くだらない長文申し訳ないです。
でも、二級建築士は本当に人生を変える力のある資格だと思っています。
私も今回の資格取得に伴い、補助者から脱し、ようやく1本立ち出来ます。
夜間で建築の専門学校に通った事を含めると(文系なので受験資格がなかった)、4年越しの悲願達成です。
神無先生には是非、資格学校に通う時間や金銭に余裕がない人の助けや建築の楽しさの普及に努めて頂きたいです。
私も平面図から立面まで一式図を描くことが連動していてこんなに楽しいものなのかと
遅ればせながら気が付きました。
今後も多数の合格者を輩出して下さい。
私の添削に赤を入れてくださった先生は文月先生が多かった様に思います。
個人的にお礼申し上げたいです。
あと、先生。最端製図のオリジナルテンプレートの扱いが雑過ぎますよ!!
あの存在と使い方を知っているだけで合否に影響を与えるアイテムだと思います。
それ位、画期的に製図時間を短縮出来ます。
エスキスコード内での扱いも小さ過ぎてかわいそうです・・・・。
私は最端テンプレートの信者なので(笑)