はじめまして、最端製図の神無修二です。このサイトは「建築士になりたい!」「建築士になって夢を叶えたい。」そんな方を応援するサイトです。また、二級建築士とはどのような資格なのか、試験の概要や試験対策の方法などをお伝えしていきたいと思います。
二級建築士とは、建築物の設計や現場監理ができる国家資格
建築士の資格とは、建築物の設計や工事監理ができる資格であり、設計できる建築物の規模や階数、用途などによって、木造建築士、二級建築士、一級建築士に分類されます。二級建築士が設計できる範囲は以下の通りです。
二級建築士が設計や工事監理を行なうことができる範囲
- 延べ面積1,000m2以下の木造建築物(2階・3階建)
- 木造平家建ては、延べ面積の制限はありません
- RC造、S造などは、延べ面積300m2以下
- 延べ面積500m2以下の特殊建築物
- 全ての構造において、高さは13m以下、軒高は9m以下
これらを超える規模となる場合は、一級建築士の免許が必要となります。詳細を見る
建築士の種類と業務範囲
ピンクで示しているところが、二級建築士が設計や工事監理をすることができる範囲です。
延べ面積S(m2)
|
木造 |
木造以外 |
全ての構造 |
高さ≦13mかつ軒高≦9m |
高さ≦13m
かつ軒高≦9m |
高さ>13m
又は
軒高≦9m |
階数1 |
階数2 |
階数
3以上 |
階数
2以下 |
階数
3以上 |
S≦30
|
A |
A |
C |
A |
C |
D |
30<S≦100
|
A |
A |
C |
C |
C |
D |
100<S≦300
|
B |
B |
C |
C |
C |
D |
300<S≦500
|
C |
C |
C |
D |
D |
D |
500<S
≦1000
|
一般 |
C |
C |
C |
D |
D |
D |
特定※ |
D |
D |
D |
D |
D |
D |
1000<S |
一般 |
C |
D |
D |
D |
D |
D |
特定※ |
D |
D |
D |
D |
D |
D |
A:誰でもできます。(建築士の資格がなくてもできます)
B:木造建築士でなければできません。(一級建築士、二級建築士でも可)
C:二級建築士でなければできません。(一級建築士でも可)
D:一級建築士でなければできません。
※特定とは、特殊建築物(学校や病院、映画館など)のことをいいます。
建築士試験の概要
試験の概要
二級建築士の試験には、学科試験(マークシート)と設計製図試験があり、学科試験に合格すると設計製図試験を受けることができます。(一級建築士や木造建築士も同じ)
学科試験に合格すると、製図試験はその年を含め5年の間に3回受験することができます。
学科試験に合格し、3度目の製図試験(学科試験免除の最後の年)に臨むことを受験生の間では「角番」と言います。
※角番とは相撲に使われる言葉で、その場所に負け越せばその地位から転落するという局面のことを言います。
受験資格
二級建築士試験を受験するには、所定の受験資格が必要です。主には、学歴と実務経験があります。また、建築設備士の資格を所持している人も試験を受けることができます。
初めて受験の申し込みをする場合、学歴の場合は「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」、実務経験の場合は、「実務経歴書・実務経歴証明書」などが必要です。
二級建築士試験の日程
試験の日程は、3月に発表されます。詳細を見る
3月 試験日程発表
JAEIC(財団法人建築技術教育普及センター)のホームページで試験日程が掲載されます。
※令和6年は3月1日に掲載されています。
財団法人建築技術教育普及センター
4月 受験申込み 4/1~4/15
ネットにて受験申し込みを行ないます。初受験の方は、卒業証明書や実務経歴証明書(第三者の方が実務経歴を証明する書類)などの書類が必要になりますので、早めに準備をしておいてください。また、デジタル顔写真や受験手数料(18,500円)が必要です。
6月 設計課題発表 6/7
設計課題が発表されます。
主な発表の内容は、設計課題(建物用途)、構造種別(木造かRC造)、設計図書などです。
令和4年度の設計課題は「保育所」(木造)、令和5年度は「専用住宅」(木造)でした。
受験票の発行 6/21
受験票のダウンロードが可能になります。印刷して試験会場に持参するようにしてください。
7月 学科試験 7/7(日)
建築法規(学科Ⅱ)を解答する場合に限り、法令集(使用が認められるもの)を使用することができます。
9月 設計製図試験 9/15(日)
必ず携行するもの、また、使用が認められない道具類などがありますので、注意してください。
12月 合格発表 12/5(木)
JAEICのホームページに、合格者の受験番号が公表されます。また、結果の通知が郵便で届きます。
※JAEIC(財団法人建築技術教育普及センター)支部・都道府県建築士会の事務所にも掲示されます。
建築士登録
所定の登録手続きをして、晴れて建築士となることができます。登録手続きに必要な書類や方法は、合格通知書に書かれてあります。改めて入手が必要となる書類がありますので、確認するようにしてください。
試験内容/試験時間
学科試験
学科試験は次の4科目で実施されます。
学科Ⅰ 建築計画 学科Ⅱ 建築法規 学科Ⅲ 建築構造 学科Ⅳ 建築施工
各科目25問ずつで計100問、点数は1問1点で、全て正解すると100点となります。
試験時間は、15分ほど注意事項等の説明の後、
10:10~13:10 建築計画(学科Ⅰ)及び 建築法規(学科Ⅱ)
1時間の休憩と注意事項等説明をはさみ
14:20~17:20 建築構造(学科Ⅲ)及び 建築施工(学科Ⅳ)
となっています。
設計製図試験
設計製図試験は、6月に発表される設計課題を元に詳細な設計条件と作図条件が与えられます。それらの条件を元にエスキースと製図を行ないます。試験時間は、11:00~16:00の5時間です。
試験時間が5時間なので、終了時間を5時までと勘違いする人がいますので注意してください。終了時間は4時です。
合格ライン/採点のポイント・合格基準
学科試験の合格基準点
各科目13点、合計で60点となっています。ただし、年度によって補正される場合があります。過去5年の合格基準点はこちらをご覧ください。詳細を見る
学科試験の合格基準点
|
建築計画 |
建築法規 |
建築構造 |
建築施工 |
総得点 |
令和5年 |
13 |
13 |
13 |
13 |
60 |
令和4年 |
13 |
14 |
14 |
13 |
60 |
令和3年 |
14 |
13 |
13 |
13 |
60 |
令和2年 |
13 |
13 |
13 |
13 |
60 |
令和元年 |
13 |
13 |
13 |
13 |
60 |
14点になっているところが補正されているところです。
設計製図試験の採点のポイント、合格基準
採点のポイントにより、ランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4つに区分され、ランクⅠが合格となります。詳細を見る
採点のポイント(一例)
- 設計課題の特色に応じた計画
- 計画一般(敷地の有効利用、配置計画、動線計画、設備計画、各室の計画等)
- 構造に対する理解
- 断面構成に関する知識(矩計に関する知識)
- 要求図書の表現
- 設計条件・要求図書に対する重大な不適合
①構造及び階数が指定されたものでないもの
②要求図書のうち図面が1面以上未完成
③図面相互の重大な不整合(上下階の不整合等)
④延べ面積が条件に適合していないもの
⑤要求室のうち、特定の室が欠落又は設置階が違っているもの
⑥著しく非常識な計画(階段の欠落等)
採点結果の区分
- ランクⅠ:「知識及び技能」を有するもの ここが合格
- ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの
- ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
- ランクⅣ:設計条件・要求図書に対する重要な不適合に該当するもの
難易度/合格率
学科試験の過去の合格率は、約40%、設計製図試験の合格率は約50%となっています。総合では25%ほどです。過去5年における合格率はこちらをご覧ください。詳細を見る
過去5年間の合格率
|
令和元年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和5年 |
学科 |
42.0%
8,143名 |
41.4%
7,565名 |
41.9%
8,219名 |
42.8%
8,088名 |
35.0%
6,227名 |
製図 |
46.3%
5,037名 |
53.1%
5,979名 |
48.6%
5,559名 |
52.5%
5,670名 |
49.9%
4,985名 |
総合 |
22.2%
5,037名 |
26.4%
5,979名
|
23.6%
5,559名
|
25.0%
5,670名
|
22.3%
4,985名
|
※上の数字が合格率、下の数字は合格者数です。
過去に出題された問題
過去に出題された問題用紙は、JAEIC(財団法人建築技術教育普及センター)のホームページで確認することができます。現在は、平成25年度の試験問題から令和5年の試験問題まで掲載されています。
学科試験については、4科目の問題用紙と正答肢、製図試験については、問題用紙、答案用紙、合格基準等、標準解答例が掲載されています。
設計製図試験 過去(平成12年度以降)に出題された課題
二級建築士試験の対策方法は主に通学か通信講座
二級建築士の試験対策は、主に資格学校などに通学する方法と通信講座を受講する方法があります。完全に独学で行なうという方法もありますが、独学ではポイントを絞った学習が難しい(特に設計製図試験)ため、多くの人は、通学か通信講座を選んでいます。通学と通信講座のメリットとデメリットはこちらを参考にしてください。詳細を見る
試験対策の方法 |
メリット |
デメリット |
通学 |
- 教材が豊富
- 直接講師に質問が可能
- スケジュール管理が徹底される(デメリットになることも)
|
- 受講料金が高額
- 通学に時間や費用がかかる
- 通える範囲に学校がない場合もある
|
通信講座 |
- 通学に比べて受講料金が安い
- 自分のペースで進めることができる
- 学習内容を自分で決めることができる
|
- スケジュール管理が必要
- モチベーションの維持が難しい
|
完全に独学 |
- 受講料金が安い(書籍購入代程度)
- 自分のペースで進めることができる
- 学習内容を自分で決めることができる
|
- スケジュール管理が必要
- モチベーションの維持が難しい
- 学習の効率化を図りにくい(ポイントがわからないことがあるため)
|
通学派の意見
- 短期間で効率よく勉強できる。
- 時間と場所を確実に確保できる。(またはしたい)
- 講師の方に直接質問をすることができる。
- スケジュール管理がされているので、予定通りに学習を進めることができる。
- 自宅では勉強する環境を確保しにくい。
- 今年は学校に通って確実に合格したい。
通信・独学派の意見
- 通学は受講料金が高い。2年続けて通学は難しい。
- 学校に通う時間がもったいない。製図板を持ち歩くのも億劫。
- 実務で図面を描いているので、学校に通う必要性をそれほど感じていない。
- 昨年惜しかったので、次は独学でも大丈夫と思う。
- 人と関わるのが苦手なので、自宅で行ないたい。
- 自分のペースで好きな時間に取り組みたい。
- 資格を取ることを実は秘密にしている。
最端製図は、通信で講座を行なっています
最端製図では、以下の3つの講座を行なっています。
最端製図.com通信添削講座
設計製図試験対策講座です。設計課題が発表(6月)される前に行なう「前半戦講座(1月~5月)」と課題発表後から試験に向けて行なう「後半戦講座(6月~9月)」があります。詳しくはこちらをご覧ください。
最端製図.com
学科クラブ(二級)
わかりやすい講義ノート(計120項目)と20年分以上の過去問題を閲覧することができます。また、24時間いつでも質問を行なうことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
学科クラブ(二級)
学科クラブ(一級)
講義ノート(計95項目)と15年分の過去問題を閲覧することができます。もちろん詳しい解説付き。また、掲示板で24時間質問をすることが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
学科クラブ(一級)
どの講座も掲示板やメールで24時間いつでも質問をすることができ、多くの過去問題に取り組むことができる。