体験談 PR

「これから二級建築士を目指す方へ」  熊本県  Sachiko

「これから二級建築士を目指す方へ」  熊本県  Sachiko

 

これから受験する方、試験対策で悩んでいる方の、何か少しでもお役に立ちたく
私の合格までの道のりを中心に記しておきたいと思います。
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<5年前、40歳を目前に始まった建築士試験への挑戦>

子どもがまだ小さく社会復帰して間もないため、資格学校に通うのはハードルが高く感じられ
通信講座を検討していたところ、シンプルで内容の全体像がつかみやすい「最端製図」というホームページに辿りつき何となく私に合っているかも、と学科クラブに申込みしたのが始まりだ。

学科試験突破は予想以上に苦労した。
年明けての法令集の線引きだけで疲労困憊、若くない私の頭には専門用語の多い暗記事項が何よりとても苦痛であった。
学科クラブのテキストや練習問題をひととおり終え本番に臨んだが、法令集を引きながら解く法規の問題に時間がかかるのと暗記が非常に多い施工の問題で苦戦。
2,3年目は先生著の「はじめの一歩」+市販のテキストのみで勉強、3回目でやっと合格した。

 

<ようやくたどり着いた製図試験>

自分は通信講座で大丈夫なのかという不安を最後まで拭いきれないままであったが、
歴代の最端卒業生の合格の便りなどを見て何とかなるかもと励まされたのもあり
学科試験合格の翌年の前半戦の講座から長期戦でお世話になることを決めた。

初めての製図試験対策はなじみのないRC課題、2・3階建て両方の対策が必要で法規制も多い。
エスキースだけで1~2日かかり一式図描くのに更に3~4日が軽く経過、
こんなの5時間で描けるようになるワケないたい!!(←熊本弁)と毎回叫びながら課題に必死に取り組んだ。仕事の休日はほとんど勉強にあてた。
後半戦が終了するころには何とか時間内作図が出来るようになったことには驚いた。

試験当日はとにかく完図完図完図――!!と焦りながら仕上げた。チェック時間はなかった。
こんなに必死な5時間は人生初めての体験で(いや出産以来かな?笑・・・種類が違いすぎるか)、
試験終了後「やりきったーーー!」という思いから涙が出てきた。
まわりは20代くらいの方ばかりで自分以外はクールで落ち着いている(ように見えた)。

結果はランクⅢで不合格。まだ力不足だ。
すごくすごく死にそうなほど大変だったのに最端製図での学習の中には楽しさもあったためか、来年は木造が学べるいい機会だ、また頑張ろう!と意外に立ち直りは早かった。
落ちたのに先生方には感謝の気持ちの方が強かった。

 

<製図試験2年目は木造>

1年目のRC造で鍛えたエスキース力はやはり役に立つ。
伏図や矩計図には苦労し何をやっているのかわからなくなりボーーーっとしてくることもしばしばだが、やれば必ず上達することを体験していたので比較的前向きに課題に取り組めた。
だが製図は体力・根性勝負の試験、年齢的なものもあるのかキツくてキツくて
休日に一人自宅で製図ばかりしているとさすがに発狂しそうになる。
本番の2週間前くらいには酷使してきた腕や肩の痛みが急にひどくなりこれは想定外、
当日も心身ともにけっこう最悪な状態だった。

試験会場についても落ち着かず今年は完図すら無理かも・・・と弱気なまま教室に入ったが、
人間追い込まれると意外に何とかなるもので、製図試験は始まるとそれどころじゃないくらいの集中力で描くことができ、気力で最後までやりとげた。

「問題は去年より易しそう、大きなサプライズはなさそうだし矩計の切断位置も楽なところだ、設計主条件は去年のRCの練習課題でやっていた計画の要点が全て使えそうだ、なんとかまとまりそう。」と1年目よりは落ち着いて解いた。
エスキースはちょっと時間がかかり結局余裕はなくチェック時間5分くらいであったが。

こうして私の 出産レベル並みの(?)命がけの戦いが無事に終了、燃え尽きた。
(ちなみに教室からトイレまで遠すぎて試験中に全速力で走ったのも人生初の経験であった。。)

試験後は皆からの情報が入ってくるたびに細かいミスが発覚、特に平面に書いた下屋が立面にはなかったのは割と大きなミスかなあと思い
あー今年もダメかも、と憂鬱な気持ちと再現図で先生からいただいていた悪くない結果によるわずかな期待とともに、あとは神頼みで合格発表まで過ごした。

いつもポジティブ思考の主人に発表を見てもらうのがいいかも?と思い立ちお願いした。
私は暗記できるくらい自分の受験番号を見慣れていたが、主人は私の番号を確認し確信するまでに相当な時間がかかり(笑)沈黙が長いので、あーー落ちたな。と思っていたら突然叫び出した。
合格していた。あれ、合格?!!?
長かったこの戦いの終わりを感じ、嬉しさと同時にホッとしすぎて力が抜けた。

 

<通信講座でも合格できる!>

長くてつらい戦いでしたが途中で脱落しなかったのは、365日気軽に質問できる環境があったこと、ともに戦う仲間の存在を感じられたこと、そして建築を学ぶ楽しさを交えながら先生は指導してくださったことが大きいかもしれません。
(先生のこまめなブログや同期生の掲示板への面白コメントに、ひとり吹き出し癒されたり・・・
試験直前に仲間のために計画の要点をまとめた手作りの一覧表をUPしてくれる方がいたり、
自分も大変なのに仲間を気づかったり励ましたりしてくれる方が多かったのも救われました。)

受験生の中には通信講座を検討して悩まれている方もいらっしゃると思います。
モチベーションの維持はちょっと大変ですが、自分の選んだ講座のやり方を信じ課題を毎回丁寧に取り組めば必ず力はつきます。大丈夫です。

 

<建築士試験への挑戦で得たもの>

合格し「資格」と「自信」を取得した私は、この体験を通して

・あきらめない力、
・妥協すること、
・いくつになっても学び続けることの楽しさ

など、これからの人生に活かせるものも得ました。

私は子どものころから生真面目で完璧主義な方で、
でもこの製図試験はそれを捨てて時間内に上手に妥協することがより求められる試験でした。
それが前より出来るようになったこと、

それから自分にはちょっと無理そうだという印象でこれまで長続きしなかったことが、
この製図試験の勉強を通して「それは本当に出来ないか?」と何事もちょっと疑ってみるようになった、
これまでの自分ならばすぐにあきらめてしまうところを、逆に「あきらめないクセ」が身についたような感じです。
これは自分の中でわりと大きな変化でした。

最端製図に出会わず建築士試験に挑戦していなかったら得られなかったものです。

指導してくださった先生方、一緒に戦ってきた最端生のみなさまには、
感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、
休日私が勉強に集中できるように配慮し続けてくれた子どもや主人、
学科3回目のときに法令集の線引き(1000ページ以上!)をしてくれた父、
試験前に多めに休みをくれたパート先の店長(笑)、
福岡県 太宰府天満宮の 菅原道真公様(学科・製図共にココにお参りに行った年は合格^^;)、

本当にありがとう!!

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最後に、これから二級建築士を目指す方、
合格までの道のりは本当に大変ですが、あきらめなければ必ず報われる日が来ますので
悔いの残らないように頑張ってください!

2022.12.11  Sachiko