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「最端製図合格体験記」あすか

「最端製図合格体験記」 あすか

2021年:12月頃から勉強開始

2022年:学科合格、製図未受験

2023年:製図1回目→不合格(ランク3)

2024年:製図2回目→合格

私の初受験から合格まではこのような道のりでした。これだけ見るとよくある話なのですが、本当に長く、苦しい戦いでした。

そもそも、私が二級建築士を受験した理由ですが「推しキャラの家を設計したい」という申し訳ないような動機です。また、日頃からイラストを描いておりまして「建築物を描くにはもっと建築を学ばないと」という極端な考えもございました。

そのようなきっかけから受験を思い立ったわけですが、基本的には完全独学で考えていたのです。学科はもちろん、製図も市販本でなんとかなるだろうと考えておりました。そして学科は目論見通り、順調に突破です。

続いて製図ですが、緑色の製図本を早速購入しました。巻末に掲載されている有料添削と某資格学校の通信講座も併用することにしたのですが、これが地獄の始まりでした。

通信講座の開講までは製図道具を買いに行ったり、市販本のトレースをしたりして過ごしておりました。そして心待ちにしていた教材が届いたのですが、テキストをめくって絶句しました。何をすればよいのか1ミリも理解ができなかったのです。「・・・エスキス?パーツの切り出し?問題用紙をカラフルにすればいいの?」みたいな感じでした。唯一取り組めたのは、便所やキッチンなどのパーツだけを練習するトレース用紙でした。便器を量産する日々です。

しかし試験日は容赦なく迫ってきます。添削課題を提出しなくてはいけないのですが、「エスキス」とやらが分からず、とりあえずトレースした図面を一枚提出しました。エックスでは他の受験者が順調に試験対策を進めている様子が流れてきます。トレースですら作図に4時間以上かかっていました。焦りや不安から眠れない日々が続き、何もできない自分が本当に情けなかったです。

「もうやめよ。」お盆の真っ最中でした。

受験を翌年に持ち越したことでメンタルも安定し、新たな通信講座を探すことにしました。そして「まさにこれだ!!」という講座が見つかったのです。初心者の私でもできそうでした。最初は簡単な平屋でパズルみたいに部屋を並べます。「これなら大丈夫!」図面一式書き上げることも覚え、やっと何をすればいいのか分かったのです。添削課題も“自分で考えた”図面を提出できるようになり、順調に合格へ近づいているかのように思えました。

そして満を持して挑んだ1回目の製図試験。問題用紙をめくった瞬間、「きたぁぁぁ!」勝利を確信しました。エスキスも何とか形になり、残り時間も3時間40分くらいあります。「このまま作図すればいける!」そう思った時でした。

「・・・オワタ。敷地が反対だ。」

接道を東西反対にエスキスしていたのです。
「もう時間がない、左右反転すれば大丈夫。作図に入ろう。」

→ランク3

こんな失態を犯しながらも、書き切った満足感もあり、ちょっとだけ期待していた部分がありました。そこで添削サービスを探し、「最端製図」で見ていただくことにしました。返ってきた点数は70点。

「・・・微妙。」

一番驚いたのはびっしりと評価項目があることでした。
「えぇぇ・・・、動線とか知らんし・・・。」
そして受講生でもない私に神無先生は優しく的確なアドバイスをたくさん教えて下さったのです。知らないことばかりでした。私は先生への感謝と同時に、自分の取り組み方の甘さに猛省しました。そして来年こそは絶対合格すると固く誓ったのです。

そして前半戦が始まりました。添削結果とともに冊子も同梱されており、試験のからくりや問題の解き方、考え方などが書かれておりました。これが本当に役立ちました。毎回楽しみにしており、何度も読み直しました。

また、受講生専用の掲示板も助かりました。質問すると先生からお返事をいただけるのですが、本当に即レスで、先生のお体が心配になるほどでした。ほかの方の書き込みも勉強になることばかりで、朝起きると掲示板をチェックするのが習慣化しておりました。昨年不合格だったのも納得です。

後半戦では本試験の課題に則した内容で練習を行いました。とはいっても前半戦で取り組んだ作図や問題の読み取り方など、基本はほとんど変わりません。このころにはチェックの方法も身についていました。例えば、問題用紙に「隣接」と書かれていれば、隣接させる室を書いて矢印で結び、両方の室をオレンジで丸する。(オレンジは隣接の約束だから一目で隣接が分かる)また、図面をチェックしたらシャーペンで問題文の項目に線を引いて消してしまう。など、自分でミスのない方法を編み出していったのです。最終課題を終える頃には手順も安定し、合格の手ごたえを感じておりました。すべて先生方のサポートのおかげです。

2回目の試験本番、製図よりも持ち物や着ていく服に神経を尖らせました。最高のパフォーマンスを発揮するためです。速乾ドライのポロシャツだけで3着は購入しました。机に置く道具の配置や「考えるブドウ糖」を摂取する時間まですべてシミュレーション済みです。

そしていざ試験開始。問題文をめくった瞬間、「・・・ん??」こんな感じでした。練習で慣れ親しんだゲストハウスではなく、防災コミュニティセンターだったのです。しかしそんなことでは慌てません。最端で鍛えたサプライズ対策のおかげで難なく対応できました。「バルコニー前に1.5メートル以上の空地が~」や「非常用電源が~」など、判断に悩む部分もありましたが、神無先生が「妥協してもいい」とおっしゃって下さったおかげで、いつもの時間でまとめることができました。

私は作図が遅かったので、そこは本番でも同じでした。練習と異なっていたのは、意外と記述が多かった点です。ここで少し時間がかかってしまいましたが、すべて埋めることができました。それと部分詳細図はコピー機みたいに練習したのに、意外と手間取りました。不整合にならないよう、いつもより慎重になってしまったことが原因です。これでチェック時間が想定よりも10分くらい少なくなってしまい、残された時間は5分くらいだったと思います。

ここで血の気が引いたのが「公園と一体に」の部分です。最終チェックで気が付いたのですが、がっつりと公園側に塀を書いてしまっておりました。慌てて塀を消したのですが、ここが合否の分かれ目だったと思います。今でもぞっとします。

試験終了後、さまざまなミスが頭に浮かびます。その日は深夜までヤフー知恵袋「二級建築士 製図」を読み漁っておりました。そして記憶が新しいうちに次の日から再現図に取り掛かります。いろいろな感情が入り乱れる中、返ってきた点数は80点。細かいミスがたくさんありました。致命的なミスがなかったのは安心しましたが、今度は名前を書いたかどうかが心配になり、やはりエックスとヤフー知恵袋でメンタルを安定させます。

そして不安を振り払うかのように仕事や家事に打ち込み、合格発表の日になりました。その日は午前中に会議があり、昼休みに合格発表を確認する予定でした。しかし、会議から戻ると見慣れぬ番号から着信があったのです。闇バイトでは?と恐る恐る出てみると、資格学校の営業マンでした。

「合格発表は確認されましたか?」

「いいえ、これからです。」

「番号を教えてください。確認します。」

急かされるままに財布から受験票を取り出し、読み上げました。

「・・・っっ!!!ありました、合格してます!おめでとうございます!」

想像もしない展開でした。そして資格学校の営業マンと喜びを分かち合い、気が付くと翌日私は資格学校におりました。そこには「一級建築士ストレート合格必勝コース」のパンフレットが。

長くなってしまいましたが、初受験から合格までの経緯をつづりました。不純な動機ではありましたが、いままでの人生でこんなに必死に取り組んだことはほとんどありません。本当に苦しみ、やっとつかんだ合格です。そしてこれからが本番。建築士として必要な知識や技術をもっともっと学び、努力を続けたいと思います。

最後に、私の受験を支えてくださったすべての方に心から感謝申し上げます。神無先生、meo先生のサポートがなければ、決してこの日がくることはありませんでした。本当に本当にありがとうございました。

報恩感謝