設計製図試験 PR

「二級建築士の合格まで」 GI

「二級建築士の合格まで」 GI

40代後半、受験するきっかけは建築士に興味が湧いて、たまたま資格学校に相談したところ「実務経験7年ありますので受験可能ですよ!」と、受験資格があることを40代半ばで初めて知る(20代のうちに気づいておけばよかったと後悔!)そこで、やってみようと決意。

しかし、4人家族で長男は年中、下の子は2歳と大変手間のかかる時期。建築の学校も入っていない自分が建築士になれるのかという果てしない挑戦。妻もこの年で資格を取得するということに疑問を感じていたが、しぶしぶ理解。学科の受験時は、ちょうどコロナの始まりで在宅勤務が中心となり時間も出来て、とりあえず学科の参考書を手に取ってみる。

案外この年齢になると勉強が楽しい。学科は丸暗記で難なくクリア。しかし、ここから製図試験5年もかかるという泥沼にはまってしまう。。。

 

初の製図1年目(シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい 木造)

エスキスってなに!?というところから始まりです。

濃い線、薄い線??なんでそんなことするの!?から理解もできず。パズルを作る感覚でエスキスだけで5時間超え。すっかり諦めモードでした。

厚みのあるテンプレートを探してWebで検索したところ、最端製図のテンプレートに出会う!そこで通信教育があることを初めて知る。試験間際でテンプレートを買う人もいないだろうとちょうど品切れ状態、受験日までにテンプレートが欲しかったため、無理を承知で「注文することができますか」とメールで問い合わせしたところ、すぐにリターンがあり「可能ですよ」と返信があり早い対応に驚きました。テンプレートも到着していざ試験へ!結果はあえなく撃沈。予想通りのランクCでした。

 

製図2年目(歯科診療所併用住宅 RC)

これではだめだと思いました。次はRCという事もあり、RCの経験もないので1月から最端製図の前半戦に即申込み。RCは木造と違い、プランニングも自由で伏図もないので思っていたよりも拍子抜け。

最端製図は課題毎にわかりやすい解説書があり素人の自分でもエスキスのしかたを理解。もっと早く受講していればと後悔。前半戦では2階のプランと3階のプランを交互に行いました。

6月に課題発表です。課題は歯科診療所併用住宅。ここで階数指定が無いのがちょっと驚きましたが、階数が変わっても2階と3階のプランについて前半戦は勉強してきたので、なにが出題されても怖くありませんでした。歯科診療所のエスキスのルールも解説書をみて難なく理解。そして、いざ本番です。

本番は3階建の問題。しかし、問題用紙をみると今まで見たことがない表記が!!!敷地の高低差です。

顔が青ざめました。敷地高低差なんて勉強したことがない!

さらに問題用紙を見ていくと、部分詳細図はバルコニー部分を含むという指示が!!これも勉強していない。焦りましたが、まわりの受験者からは溜息ばかり、自分だけでなく他の人も同じ境遇だと思い。敷地の傾斜を気にせずいつものようにエスキス開始、プランニングは順調でしたが作図はやはり高低差を意識してしまったせいかペンが止まる。さらに、バルコニーの部分詳細図に苦戦。チェックする時間もなくタイムアップ。

案の定、ランクBでした。前半戦から頑張っただけに落ち込みも激しくなかなか立ち直ることが出来ませんでした。

次は木造でした。前半戦申し込みましたが、この時期から仕事が忙しくさらに、3月に仙台に転勤が決まり、新しい場所での仕事と製図の両立は難しいと判断。2年間受験せず、3年後またもRCの受験に賭けてみました。仕事上、資格については急いで取得する必要はなく、3年後は仙台の仕事も落ち着いているだろうと気長に考えることにしました。

 

製図3年目(観光客向けのゲストハウス RC)

前回、不合格となった原因は明らかに製図のスピードが遅かったこと、考えすぎてペンが止まってしまったことです。休みの日は家族が寝た後に夜な夜な製図の練習をしていました。そして6月課題発表です。

なんとゲストハウスです。インバウンドの影響なのか、しかも併用住宅ではなく施設という点も驚きました。今回は後半戦のみ申込み、2階プランと3階プランを交互に練習。3階は狭い分エスキスが組み立てやすい面もあるが、作図量は2階に比べても多いです。2階は広くなる分、逆に自由度の高いプランニングが求められます。しかし、作図量は3階よりも少ないので2階のプランの方が圧倒的に早く仕上げることが出来てチェックする時間も大幅にとれます。自分的には2階の方が時間に余裕ができると感じました。

そして、最端製図の練習問題では温泉地の課題が出題。「なんと!」温泉好きの自分には今までにない感覚!イメージしながら温泉プランを描き上げる。「楽しい!」さらには露天風呂や目隠しの樹木を計画、、、

露天風呂入りながら海を見るという最高の眺めと癒しの空間!我ながらいい出来栄え(自画自賛です)

本番も温泉地の問題にならないか期待してしまいました。。。笑 

そして第四課題も終えて練習問題も終了。

この時期になると作図も早くなり、エスキスの時間がもっと早くできないか模索し始めます。

今まで機能図を描かずに自分でイメージしていましたが機能図を描くことでより具体的になり、要求室の漏れもなくなります。要求室の項目を上から順にラフで描いていくだけでも建物のイメージが掴めます。作成する分時間がかかりますが機能図を描くことをおすすめします。

本番。会場に着くと、あれ席がない!受験票を照らしながら前から後ろの席まで見ていくと、なんと一番後ろでした。私の前の席は若い女性、隣は私と同じくらいの年配の男性でした。問題用紙が配られます。透けた裏面から見ると、あれ、敷地が正方形で広いな~これ2階プランじゃない!?3階建てで予想しておりましたが2階は予想外。というか自分的には2階は有利、(残念ながら温泉地でなかったのは、がっかり、、、笑)しかし、問題を見ていくと、宿泊者同士の交流を深めるとか、災害対策等々見たことがないような問題。角番で経験豊富かと思いきや3回目が一番緊張。手が震えてうまく字が書けませんでした。

エスキスしてみると、便所が2カ所あったり、喫茶スペースも無駄に座席数も多く、2階も部屋数が多くエスキスをまとめるのに一苦労。目安の60分たってもまとまらない。隣の年配の男性のため息が聞こえる。私の焦りも増します。ここで落ちついて上から順に機能図を描いていきます。

やはりイメージが浮かびやすくあっというまに機能図出来上がり。よし「プランニングまとめるぞ」っと思ったところで前の女性が作図に入る!「えっ!早いな」自分はまだプランニング中。隣の男性も若い女性につられて作図に入る。私だけが必死でプランニング。焦ってはいけませんが、いつのまにかエスキスリミットの90分になっていました。

やばい!限界時間だ。

焦るばかりでしたが、2階建ての課題は早く描き上げる自信がありました。100分超えていたかもしれません。「よし、作図だ!」というところで前の女性がなにかを間違えたのか必死で消しゴムでなにかを消している様子。私は無我夢中で作図に入る。

平面図、怒涛の流れであっという間に完成。断面図はかなりシンプルだったせいか試験官の人も後ろからじっと見ている。隣の男性も作図をやめて、ペンが止まっている様子。

部分詳細図は念入りに描いたせいかちょっと時間がかかりましたがチェックする時間20分も確保。

「よし!」立面図のスロープ漏れもしっかり確認。あっという間に試験時間終了となりました。

終了した時点でスタッフの通用口の出入り部分に▲を入れるのを忘れてしまったことと、南側(公園側)の延焼ラインと防火設備を入れなかったことに気付く(実はなくても良かった)自分でも見返しましたが忘れたのは▲のみで、あとはすべて書き上げていました。(自己採点上です)その日は知恵を使いすぎたのか熱が上がりそのまま布団へ直行。試験終わって次の日からは製図を忘れて仕事や家族に専念しました。

すっかり冬になり製図からの逃避行。合格発表日も忘れていてポストに入っているハガキと県の土木建築部からの封書で気付く。恐る恐る見ると「合格」の文字が、「ヤッター!!」ようやく5年目にして合格を勝ち取ることが出来ました。

建築士になるという夢が夢でなくなってきている。建築もわからない、製図もわからないからの始まりでした。途中投げ出しなくなることもありましたが、ようやく建築士になることが近づいてきています。

テンプレートが始まりで最端製図に出会えたこと。仕事や家庭で忙しく、空いている時間に製図を学ぶことが出来る最端製図に決めてよかったと思います。勉強する時間も自由に調整出来て自分にあっていました。最端製図の神無先生はじめスタッフの皆様ありがとうございました。そして、家族も合格するまで5年も待っていてくれました。関係する方々に感謝です。本当にありがとうございました。