「合格体験談」anu
はじめまして、anuと申します。
この度、2度目の挑戦で無事に合格することができました!
そんな私の体験談ですが、どなたかの役に少しでもたてたらと思います。
まず、私が最初にしたこと。それは二級建築士の受験資格を手に入れること。
そのために、仕事をしながら通信制の大学を出ました。
仕事は建築関連なのですが、設計に関わるのではなく、現場で手を動かす日々。
建築会社にいるのに、完全なる製図初心者。
資格学校に通う時間も金銭的な余裕もなく、いつでも勉強ができ、金銭的にも優しい通信講座を探していたところ、この最端製図に出会いました。
〈令和4年〉
学科と製図の講座を前半戦から受けはじめ、平日は学科、休日は製図と決め、勉強を始めました。
学科は順調に勉強が進んでいき、なにも問題はない。
休日に製図について冊子やDVDで学び、初めて描いた一枚目。
まさかの12時間超え。
最初はしょうがないと分かっていても、枚数を重ねても時間は少ししか短縮されない。
正直、その事実がきつくて学科の勉強に逃げました。
そのおかげか学科は余裕で合格しましたが、製図では10時間を切ることなく、前半戦が終了しました。
後半戦が始まり、製図にだけ専念し、図面を描き続ける日々。
最低限、描かなければならないものは覚えると決め、平日には冊子を何度も確認し、簡略化した製図も描き続けました。
次第に何も見ずに描けるようになってきたのですが、5時間以内に描けるようにはならない。
学科は勉強するだけする分、確実に点数に反映されていったのに、製図に関しては一切その感覚もなく、正直、描くこと自体が不安でたまりませんでした。
掲示板にあがる質問や図面は、自分とは次元の違う話に感じて、泣いたこともあります。
このままではだめだと思い、一旦、製図から離れて、自分の状況について考えました。
図面を描くために何が必要なのかは、少しずつ分かってきている。
でも、プランを考えるのがとても苦手で、同じミスをすることも多い。
そういえば、卒業生の中には、掲示板や質問、図面のミスをまとめていたと書いてあったなと。
今の状態で図面を描くのはしんどいが、その真似をしてノートにまとめることはできる。
そのため、掲示板の他の方の質問や先生からの返答、図面のミスをノートに書き、参考としてあがっていたプラン図を自分で描いてみながら、徹底的にまとめていきました。
そこから少し自信を取り戻し、プランも考えられるようになりました。
図面の効率的な描き方も自分の中で確立していき、最後から二枚目でやっと5時間以内にかけるようになりました。
〈試験1回目〉
開始の合図で問題文を最初はゆっくりと読み、二回目にはマーカーやボールペンで必要なところを分かりやすく書き足していく。
プラン図ができ、もうすぐ60分が経過する。
指定されていることは守れているし、確認もできた。
今回は比較的簡単な問題だったのかもしれない…そう思いながら1階の平面図を描いていると、ふと思い出したんです。
『本番では、普段練習でできていたことが急にできなくなる』
そんな言葉で手を止め、図面を見て、固まりました。
階段がどこにもない。
どうして、なぜ。今まで一度たりとも階段を忘れたことなどないのに。
これでは一発不合格。
とりあえず、階段を描こう。今回は、階段の幅の指定はない。なら、廊下に入れ込もう。
そう考えてから、図面を最後まで完成させ、最終確認へ。
そこでまた気付きました。
保育室の面積が足りてない…?
プラン図では異常はないのになぜ!?
急遽、問題用紙の必要面積とマス数の計算をし直したところ、単純な計算ミス。
できうる限り描き直し、不整形であったとしても、面積も守っている。
メリハリのある図面で、どこかおかしいところはない…と思う。
今できる最大限のことはし終えた。
そして、終了の合図とともに図面は回収されました。
後日、最端製図に提出した再現図の評価もよく、合格は間違いない。
そんな心持ちで、合格発表の日を待ちました。
そして、なんと!
自分の受験番号がありませんでした。
正直、ショックで当分なんにも手がつかず、製図板もなにもかもクローゼットに仕舞い込みました。
〈令和5年〉
図面なんて封印だ、ゲームだ、やけ食いだ。
そんな日々を過ごし、春の終わりにその封印を解き、あの製図との日々と少しずつ向き合うようになりました。
久しぶりに描いた図面は5時間で描けることはなく、何が必要だったかも忘れている。
これはまずい。急いで、冊子やDVDで学び直しました。
後半戦が始まって少し経った頃、私は一日中寝ていることのほうが多くなりました。
長く不妊治療をしていたのですが、このタイミングで妊娠したのです。
ひどいつわりで仕事もできず、長時間座っているだけでも吐くため、図面も描けない。
でも、今年こそ合格しなくては、次にいつこんなに勉強できるかもわからない。
そんな気持ちの中、締め切りに何とか間に合わせようと図面を描くのですが、吐き気に襲われ、トイレに駆け込む。
ノートにまとめたものをベッドで見ながら、掲示板のチェックも行い、図面は一つずつ描けるときに書く。
結局、図面一式を続けて描くことはできず、そのまま試験の日を迎えたのです。
〈試験2回目〉
吐き気より緊張のほうが勝ったのか、この日は体調がいつもよりましでした。
試験開始とともに、深呼吸をしてから問題用紙の確認を始めました。
まず、去年のミスを生かし、今年は問題の確認方法を変えました。
必要面積のマス数の計算は三回行う。
マーキングを行うのも一回目に行い、問題文を二回目に読むときに、読み落としがないか、しっかりと確認しました。
プランも無事にでき、図面も順調に描き終え、最終確認は30分以上もある。
この時、完全に安心しきっていました。
そんな気持ちで問題文と図面の面積を確認しているとき、気付きました。
プラン図では問題がなかった。
でも、実際に書き終えた図面の多目的室の面積が足りていない。
前回は計算間違い、今回は実際の敷地面積の範囲とプラン図で描いた図面の敷地面積の不整合。
なんでこんなに確認ができないのだろうと泣きそうになりながら、急遽LDKを小さくし、その分を多目的室へ変更。
平面図が済むと、床伏図との不整合はないかの確認を急いで行うことになり、時間がどうしても足りない。
何とか描き終え、これで大丈夫なはず…そう思ったのも束の間、終了の合図で気付きました。
あの大きな梁、一階に柱がないのにあそこで終わらせているのはまずいのでは…?
というか、あそこは二階の柱があるだけだし、小さな梁に架けていることになるから尚更まずい!
出来上がったはずの自分の図面は、前回とは違い、とても悲惨なものだった。
そんな図面は回収されていき、帰り道に浮かぶミスの数々…。
多目的室と一階の床高の差に対して、段差は一段でいいのになぜか二段も設けたし。
車からの利便性を考えたら、駐車場と多目的室は遠く感じる。
それよりなにより、あんなにひどい梁を描いたのは、去年の前半戦の図面以来だったな…。
今年もどう考えても不合格でしかない。
次はカド番か…。一体いつ受けられるだろう。
一切の期待を持たず、再現図も描くこともなく、ただ時が過ぎていきました。
ふと、12月に入って気付きました。
そういえば、去年の今頃、私はうきうきとしながら確認をし、見事に落ちていたなと。
いずれ分かるとはいえ、職場には合否の報告もいるし、ハガキを見るのも辛い。
そのため、諦めて合格者の番号を見ることにしました。
そこにありました。
去年とは違う、今年の自分の受験番号が。
思ってもいない現実に、ちょっと叫びました。
でも、まだ信じられず、職場の上司にも確認してもらいました。
やっと二級建築士になれるのだ。
二級建築士になりたいと思い、ここまで6年、本当に長かったです。
最後に。
先生方、掲示板で繋がれた受講生の皆さんのおかげで、一人で戦っているのではない。
辛い時も一緒に頑張っているのだと思うと、本当に心強く、支えられていました。
最端製図に出会えて、ここを選んで本当に良かった!!
ここまで育てていただき、本当にありがとうございました!