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題名:「初受験から3年で合格するまでの道のり」 K20103 tmm

題名:「初受験から3年で合格するまでの道のり」 K20103 tmm

まず、はじめに、自己紹介をします。

私は、九州地方出身で今年49歳です。 中学生の時に思い描いた将来の夢は、建築設計の仕事に就くことでした。
そのため、高校進学も工業高校建築科と思っていたのですが、建築業は不況に弱い、土木業は公共事業がほとんどであり、不況に強い。
という、父の助言を聞き入れ、土木科へ進学しました。

その後、工業高校土木科を卒業し、建設コンサルタントへ就職のため上京しました。
大卒の同年代に負けないように仕事に打ち込んでいました。大卒ではないので、公共事業でやっていくには資格が必要でした。
2級土木施工管理技士を取得し、更に実務経験を積んで1級土木施工管理技士を取得しました。

建設コンサルタントって、ブラックです。月200時間残業とか、月曜に出勤して家に帰れるのは土曜の夜。
この世界で生きていくって・・・と、考えていたところに転職の話があり、転職を決断し、受験して採用されました。
大卒or1級土木施工管理技士が条件だったので、資格ってやっぱり大切だなと改めて感じました。

ここ数年、職場の人事課が採用条件について、変更をし、「土木技師は、大学卒、大学院卒、
または、公的資格の1級 or 2級建築士、技術士、PE(プロフェッショナル エンジニア アメリカの技術士)」のみという条件を決めてしまったのです。
既に在籍しているものに対しては、この条件は除外することになるのですが、
高卒である私にとって、もし、他部署に移動する場合、応募する資格がないわけです。
元々建築に進みたかった夢もあり、建築士を取得して、昔の夢を叶えようと思い、受験することにしました。

3年前に初めて受験するわけですが、1年で絶対に合格する!という気持ちでした。願掛けも必要だと思い、1月から合格発表までは断酒しました。
建築士の設計製図試験は、資格学校に行かなければ絶対に受かりませんよ。
同僚の話もありましたが、学科試験なら、過去問題を勉強することで、合格できるだろう? ということで、独学で勉強をしました。
朝4時から6時、昼食時間、夕方17時から18時、夜20時から23時で勉強を重ねました。大手資格学校の有料・無料の模擬試験を5回受験して本番へ挑みました。

人生の中で一番勉強した!と断言できるくらい頑張りましたので、学科試験は無事合格しました。 そして、設計製図試験は大手資格学校へ通いました。
2ヶ月半、必死に勉強をしましたが、図面を描くことは出来ても、エスキスが出来ることはありませんでした。
それでも、本番では全て描きあげ、ギリギリ残らないかな?と思っての結果は、「ランク2」。
大手資格学校はお金が掛かるので、諦めよう、これで止めよう。と思っていました。

同僚が受験しており(設計製図試験の時に現地で受験していることを知りました。しかも一発合格)、話を聞くと、通信で最端製図で勉強をしたという事でした。
ネットで調べてみると、資格学校よりも、断然に学費が安い。これなら受講できるかも・・・。
まずは先生にメールをして質問しました。
確か、最初の質問は「エスキスはできるようになりますか?」だったと思います。「出来るようになりますよ」という返事でした。その後、妻に相談し、了解を得ました。

学科試験は必要ないので、前半戦から受講させていただき、知識ゼロの木造に挑むことになりました。
とにかく何もかも分からないので、伏図攻略テキスト、最端エスキースコードを重ねて読み込みました。
エスキスについては、RC造よりも木造の方が、自由が利く事が分かりました。でも、いつまでたっても、なかなか出来なかったことは覚えています。

「時間内にエスキスを終える。」
という事が出来ず、いつまでもやっていたということです。エスキスに何時間も掛けていました。
もちろん、頭の中は、時間内にエスキスを終えるということは理解していたのですが、なかなか出来ませんでした。
その部分の割り切りが、意外と難しいのかもしれません。

それでも、後半戦に入ってからは、どうにか出来るようになったと思います。

作図については、手書き図面で仕事をした経験があるので、慣れてくる毎に時間は短縮でき、チェックする時間も確実に取れるようになりました。

そして、自信を持って挑んだ本試験。敷地の真ん中に樹木がありましたが、「妥協」をし続け、どうにか描きあげ、初年度よりも自信がありました。
初年度はチェックなんて出来ませんでしたし、図面の内容も全然不足していたからです。
ですから、この2回目の試験を終え、作図内容、チェックの充実から合格できると自信を持っていました。
涙しながら、試験会場から最寄り駅まで帰っていたことを思い出します。

合格発表の12月、自信満々でネットで受験番号を探しますが、どこにも見当たりません。数日経ってハガキが届くと、そこには、「ランク2」の文字。
まさかの不合格に、正直、「これだけ勉強をして、本番でも図面を描きあげて、チェックする時間も十分にとっても、合格できない。合格なんて無理だ!」と思いました。

「ここまでやっても出来ないなんて、家庭の時間を試験に費やしてきた。それなのにどうして?」

模擬試験の点数も良く、再現図でも、80点ほどだったので、ランク1に引っかかってくれればという願いは脆くも崩れ去ったのです。

先生からは、合格させてあげる事が出来なくてすみません。とお言葉をいただきました。
でも、合格できなかったのは、自分自身にまだ十分な力がなかっただけで、こちらこそ、合格して恩返しできずにすみません。ということをお伝えしました。

職場では、あと1年チャンスがあるんだから、諦めずにやってはどうですか?ということも言われました。
家庭では、妻から、自分で納得しているなら止めても良いし、あと1年受験できるなら考えてみてもいいよ。と言われました。
先生にも、時間が経てば気持ちに変化があるかもしれませんよ。ゆっくり考えてください。と言われました。

やっぱり悔しいんですよ。欲しい資格なんです。でも、落ちたものは、どうしようもない。落ちた事実は変えられない。
じゃ、どうする?悔しいんでしょ?欲しいんでしょ? それに、落ちた事実を変えるには、来年合格するしかない。

「じゃ、あと1年頑張ってみるか?」

という気持ちになりました。 3年間猶予があるなら、そのチャンスを生かすしかないですからね。

先生には、前半戦は受講せず、前半戦の期間は、
「これまで最端で勉強をしてきたこと、木造構造の理解を、エスキスの理解を、復習することに充てて、後半戦のみで受講します。」という事を相談してみました。
先生からは、「作図は十分問題ないので、それでいいと思います。」という事でした。

私は、「気負い過ぎる」事が多々あるので、「気負わずに挑む」ことも、自分に言い聞かせました。

3年目に受験することを決断したのは、年を越さない12月末でした。
後半戦までに作図練習をするために、製図用紙を送付していただきました。

ただ、正直な気持ちとして、12月末時点で、試験日の翌年9月って、「果てしなく遠い日」と感じていました。

1月に入って、義父が倒れたとの事で、妻が田舎へ帰ることになりました。幸い?私には子供がいない為、当分の間、独身生活を送ることになりました。
1,2ヶ月で帰って来れると思っていたのですが、数ヶ月後に義父は亡くなり、妻はお盆過ぎの8月下旬まで帰って来れませんでした。

家庭の事は全部自分でやらなければなりませんでしたが、問題なくこなしていました。女性並みに、家事炊事は出来るのです(ちょっと自慢)。
実は実父も2月に入院し、正直、心が落ち着かず、精神不安定な時もありました。

あと、4月から6月までテレワークになったおかげで、勉強をする時間が大量に出来ました。自宅で仕事をすることに限界があり、
仕事ではなくても自己研鑽であれば、テレワークとして認めると言われたためです。どんな事をして過ごしてもよいという素敵な職場でした(笑)

1月から6月までは、作図力を落とさないように、前年(前半戦、後半戦)の課題のエスキスを行い、一式図を描きあげていました。
また、各図面、特に断面図、立面図、部分詳細図を繰り返し練習しました。
描けば描くほど、手が覚えていきますし、頭のなかも、次は何を描くという事が出来ます。

ところで、作図の時間の短縮ですが、頑張らないことです。急がないことです。順序よく書けば、自ずと、時間は短縮します。
私の場合、(余計な事なら、ごめんなさい)

  1. 1階と2階の平面図は同時には描きません。ややこしくて間違えます。
  2. 同時には描かないけど、下書き線(壁厚線のみ。中心線は描きません。)は同時に進めています。
  3. 通し柱の丸を描きます。
  4. 建具の位置を描きます。
  5. 壁を仕上げます。1階を仕上げて、2階を仕上げます。1階屋根も描きます。
  6. 階段を描きます。これで、ほぼ仕上がっています。
  7. 要求されている家具などを描きます。
  8. 外構の駐車スペース、駐輪スペース、テラスなどを描きます。
  9. 寸法線を描きます。
  10. そして、文字、数字を記入します。
  11. 柱ですが、建具の柱以外は、伏図を描いてから、その位置を平面図に描いています。
    平面図で描いた柱と伏図で描いた柱が合致しない時があるので、そうやっています。というか、そうする事しか出来ませんでした。

順序は同じだよ。と思われるかもしれませんが、同じでいいです。
とにかく慌てても、急いでも、早くはなりません。自分で決めた通りに描く。それを繰り返せば、おのずと早くなります。
(大手資格学校の時は、必死にテンプレートやシャーペンを動かしました。全く早くなりませんでした(笑))
チェック時間を20分、30分取ることは可能です。もちろん、チェック時間と書いていますが、仕上げの時間にもなります。

ちなみに、矩計図ですが、屋根から描きます。図面の汚れが少なくて済みます。
前半戦は受講生ではなかったのですが、近況報告やちょっと質問をさせていただきました。対応してくださり感謝しています。

6月からの後半戦ですが、2年目よりも気持ちに余裕をもって受けられたと思います。
割り切ってます。 だって、もう次がないんです。
落ちたら終わり。それくらいの気持ちでした。だから必死でもなく、淡々と毎日やるべき事をやっていた感じです。1年目、2年目と違ったのはこの部分ですね。

課題は、時間を決めてエスキスを行い、2日くらい掛けて、図面を仕上げていました。
平面図は時間が掛かりますが、時間を分割せず、なるべく1回で描けるようにしていました。
伏図、矩計図、立面図はそんなに時間が掛かりませんので、早朝や夜に描いていました。

図面は時間を計りながら描きますが、時計ではなくストップウォッチを使用しました。時間の捉え方は人それぞれですが、正確に測れる事が出来るのでいいと思います。
平面図は、一気に書き上げることが時間的に難しい場合は、壁まで描きあげて終えて、翌日は家具から仕上げまで、などと決めて練習していました。
ストップウォッチならそれが可能です。

課題を提出した後、エスキスをやり直したり、図面を描いたりを繰り返しました。添削が返ってきたら、じっくりと見返し、理解するようにしました。
また、先生の参考図が入ってくるので、それを単線図で写し、図面一式を描きあげたりもしました。

もう一つ、大切なことは、最端エスキースコードを良く読むことです。読むだけじゃなく、同じ部分を何度も読み込むことです。
課題の解題は、もっとよく読む込むことです。
この解題、結構な量があるので、簡単に読み込むことはできません。
でも、読むんです。職場に持って行き空き時間に読んでいました。そして、難しいけど、両方とも理解するようにしました。

それと、他の受講生の参考図面を単線図で写していました。 自分の考えなんて、一つのプランが出来上がると、他のプランはなかなか出てきません。
他人の図面を見ると、「こんな風に考える事が出来るのか!」という事がたくさん出てきます。部分的に使うことが出てきます。
使うことで、自分の考えが飛躍的に広がるはずです。
次の課題以降で、それが有効な手となります。他の受講生の単線図を使用して一式図の作図も行いました。そうする事で引き出しが増えていきます。

私が受講した大手資格学校では、他の受講生の図面を見せる事がなかったので、こんなことはないと思います。
つまり、引き出しは自分の物しかなく、増えないんです。でも、「最端」では、引き出しは確実に増えます。

今年はコロナ禍でもあり、試験が行えるのか心配をしていました。
夏場という事で、また、少し落ち着いていた関係で無事行えて本当に良かったです。
これが、延期されていたら、この気持ちを持続させることは難しかったと思います。

私はこの試験を3年間も受ける考えはありませんでした。
1年目の挑戦で合格するために「かなり」努力しました。学科試験は、〇を探せばいい試験です。勉強さえすれば、また、60点以上取れればいい試験です。
終わってみれば、学科試験は余裕でクリアしました。したがって、このままの勢いで設計製図試験もクリアできる!そう思ってたんですけどね。

本試験までに大量の図面を描きました。若い受講生も多くいましたので、おじさんは努力で若い子に勝るしかない!という思いです。
でも、その図面が合格できるような図面で描いていたか?と言われれば、今思えば違ったのだと思います。

設計製図試験は、勉強をしたからと合格できるかは、分かりません。 合格ラインは全体の50%くらいですから、その50%に入れるようにならないとダメですよね。

不思議だったのは、1年目は全く描けてない、構造、動線、様々な部分がおかしかったし、チェックも出来ない、要求事項を網羅したかすらわからない。
それでも「ランク2」だったのです。
2年目は、最端製図で勉強をし、1年目以上の自信を持って受験し、本試験の図面は、おかしい部分は多々???あったにもかかわらず、チェックも十分に出来て、
要求事項をすべて網羅したはずなのに、「ランク2」だった。1年目の「出来」で「ランク2」なら、2年目の「出来」なら「ランク1」だろう?
そのくらいの自信はあったんですけどね。試験元に連絡したくなったくらいです(笑)

つまり、学科試験とは違い、採点基準はあるにもかかわらず、採点は所詮人間がすること。採点者によって、採点にブレがある事は明確だと思うのです。
つまり、どんな人が採点しても、減点されないような図面を描く練習をしないと合格できないのだなと思いました。
そこは、綺麗な図面という事ではなく、試験元が要求したものをすべて網羅した図面を仕上げるという事です。
これを、改めて自分に言い聞かせ、3年目の勉強を進めました。

最端製図で教えてくれていることですね。合格するための作図です。それは、「シンプルに」、かつ、「要求されたものを描く」です。

私はA型で細かい事が気になるタイプです。神経質なんですよ。
駐車スペースには言葉を入れているけど、そのスペースのハッチングは不要のだろうか?通路にはハッチングを入れているのに、大丈夫だろうか?
少しでも気になれば、先生に確認してください。
悶々とした気持ちでいるよりも、ちょっとした小さい事でも聞いて、安心すればいいんです。
そして、何が必要なのか?不要なのか?それを理解したうえで、要求された全ての事を描くことです。

もし、大手資格学校に通った経験があるならば、習った図面の描き方は忘れる位がいいです(笑)
大手資格学校は、きめ細やかな図面作成を求めています。
私もチャレンジしました。でも、最端製図で勉強して、無駄な部分が多いことを思い知らされました。合格するための作図を覚える事が出来ます。

「要求されたものを描く、要求されていないものは描かない」

これで、大丈夫です。

最端製図を、神無先生を、他の先生方を信じることです。間違いはありません。

最端製図は、通信で勉強をします。
通信という事は、「自分」で「自分」をコントロールするしかありません。通信は、教えられるのではなく、「自分から」教わらなければなりません。

また、最端製図では24時間、いつでも質問が出来ます。メールでも掲示板でも、先生が親身に答えてくれます。
大手資格学校では週に1回の授業のみです。こんなにいい環境はありません。
自分の質問だけではなく、他の受講生の質問と回答が見れます。すべてが自分のものにできます。

1年目、RC造で不合格、これは木造も勉強してから合格しなさいという事だな。と自分に言い聞かせました。

2年目、木造で不合格。建築士になるという事を、もっと理解しなさい。そういう意味なんだなと言い聞かせました。

3年目、木造で合格。49歳だから合格させてあげるよ。君、頑張ったね(笑)

「合格したい!」「建築士になりたい!」

その気持ちを表に出しても、心に秘めても、どちらでもいいです。
私は、職場でも、友達にも建築士になると宣言して、退路を断って受験しました。不合格になった2年間は悔しく、恥ずかしかったです。
それでも、3年目で合格しました。自分以上に廻りの方が喜んでくれました。
「やれば出来る!」 この経験を糧に、何事にもそう思おうと改めて思いました。

最後に、

「自分を信じる事」

これが一番「大切」なことかもしれません。
2年間、大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
そして、これから受験される方にとって、少しでも参考になればいいと思います。