「二級建築士試験 合格体験談」 はな
2009 年1月。
『建築士の試験を受けてみよう』
唐突に、そして漠然と・・・本当に漠然とした 夢のような目標をたてました。
受験するにあたって、自分を振り返ると・・・
15 年ほど前に学校を卒業し、数年間設備関係の会社に在籍。
現在は子育て中の専業主婦。
建築用語は宇宙語、図面は新聞折込の住宅メーカーや不動産屋のチラシでお見かけする程度の
『ど素人受験生活』が新年早々スタートしました。
学科試験対策
ネットどころか PC さえ使わない私。何日もかけて建築士のサイトを探し
資格学校の法令集と「建築士試験問題選集」と「5日でわかる構造力学」を購入。(人生初のネットショッピング)
毎日、問題を覚えるくらい繰り返しやって合格することが出来ました。
製図試験対策
独学で出来るのか?不安に思いつつ、資格学校の出版している問題集を購入。
回答どおりに描ければ合格すると思い、 30 枚近く描きましたがサクラ散るでした。
製図試験後すぐ、『来年どうしよう。ダメなら受験すべきか。受験するにしても高い学費は払えないし、
学校に通えません。家族にもう一年迷惑をかけてしまう。』
悩みました。悩みながらネット検索・・・
しかし時期は9月、どこのサイトも通信添削もお休み中
やっと見つけたサイトが最端製図.comでした。
体験談を読み、 2009 年度の学費を確認し、受講しようか迷って2週間。
思い切って問い合わせてみました。
内容は・・・
『通信添削って大丈夫ですか?本当に合格できるのでしょうか?』
失礼なメールです。
その時は、添削図面の返却が3日なんて怪しすぎる・・・学費も安い・・・疑ってました。
メールの返事もきっと『大丈夫です。任せてください、来年は合格させます!』って軽いありきたりだと思っていたら
『製図初心者でも合格された方もいます。通信添削なので自己管理を行って頂く必要がありますが、
やる気さえあればアドバイスさせていただきます。』
受験勉強とは受験生の気持ちしだいってこと?
そして、年明けから受講するとして、それまでの下準備など質問すると、
作図時間や伏図の考え方、プランニングについて大まかな説明をしてくださり、
先生のご好意で 2009 年度版のテキストを頂きました。
2009 年 12 月、疑いは少し残りつつも前半戦受講開始。
申し込むとすぐに教材の入ったダンボールが届き、速さにびっくり!
第一課題はテキストを読みながらゆっくりと始めましたがよく分からん???
子供が入園前だったので、 1 日1時間を細切れに学習時間にあてていましたが
建築用語や建築図面が分からないのに独りでエスキス・・・
2日間かけ考えたが分からない。
早速メール・・・
初心者ゆえか伝える力がないのか言いたいことが伝わらない。
ずうずうしいとは思いつつ
『写メいいですか?』
写メでやっと伝わったが先生の一言
『2階がのりません』
何のことでしょう???
胴差の上に2階がなく、1階と2階の壁の相互性を無視したエスキスでした。
それでも何とか描き上げ提出。やっと開放されたと思った矢先の返却、本当に3日で帰ってきました。
恐怖心いっぱいで開封すると、真っ赤になった図面となぜこうしたのですか?の質問攻撃!!
聞いてはいたけど実際目にすると、かなりのダメージです。
なぜ?の質問に必死に理由を考えるのですが思い浮かばず、おさんどんを始めると思い浮かぶ。
作図をしながら、おさんどんしながらと1日に10回以上メールした時もありますが、
すぐに返事を頂いて次に繋げていけました。
4月に入り子供が入園したのを期に、1日 4 時間 30 分の本番同様の時間設定を始めました。
この頃から、作図時間が短くなってエスキスにも慣れつつも構造が全く理解できないので伏図がネックに・・・
すると先生から屋根伏せの模型写メが・・・
伏図を描くときにはこの写メを参考にしました。
質問内容も出来ないところや分からない用語、作図での表現方法など、
ポイント・ポイントでメールし 、 アドバイスや写メを頂きました。
8月の講習会に参加。
顔を見ての授業は緊張しました。
問題の読み方、エスキスの仕方、減点法など学び、エスキスの実践がありエスキス終了後
全員のエスキスを見ることが出来る貴重な時間で、作図に対する考え方が変わった時間でもありました。
今までは『みんなと似たり寄ったりなら大丈夫だろう。』と思って描いていたのに、
大半の方と建物の形が違っていて 、 周りが気になりすごく恥ずかしい気持ちになりました。
でも、似たり寄ったりの考えが間違っていたと気づきました。
問題を読んで、要求を全て満たし出来上がった図面が正解であって、
初めから解答図面のようにと思いながら描いていては本番で対応することは出来ないのです。
それからは凹凸のある図面など『綺麗に収める』から、当たり前ですが『要求をしっかり収める』に重点を置きました。
赤ペンは少しずつですが減って、時間内に作図作業を終了できるようになりました。
9月になり、子供の学習机を借り昼と夜を勉強にあてました。
昼は今までの課題と課題集を4時間 30 分かけて作図し、夜は復習や弱点ノートを作ったりしました。
この時も昼夜問わずメールのやり取り、夜中の2時ごろまで・・・
先生は本当にいつお休みしているのか???
試験当日、先生方の最後まであきらめない。描き続ける。の言葉と刷毛、チェックリスト、テンプレート。
最端グッズを武器に試験に挑みました。
エスキスは予定時間内、作図へ・・・平面、立面と描き進めるうちに線がへん??真っ直ぐ描けない!!
平行定規を平行に固定するねじが緩んでいたのです。
慌ててねじを締めましたが、この時すでに伏図に取り掛かる状態でした。
書き直す時間はない!急に震えと焦りに襲われパニックに・・・
慌てながらも『採点条件は描き上げること!最後まで諦めないで手を動かそう!』
この言葉を唱えながらチェックも含め4時間 30 分使い切りました。
試験が終わるとミスが頭に浮かび、試験会場の報告をした以外、試験から逃げたくてサイトも見ずに過ごしました。
発表当日はお昼頃まで発表日ということを忘れ、そろそろ発表日かな?と思いつつ
確認しようか、葉書が届くまで待つか悩みましたが自分で確認。
合格していました!!
合格する気持ちは本当に大切です。
ただ、それを持ち続けるのは本当に大変で逃げ出したくなる時が来ると思います。
私も初心者、専業主婦、母親など自分の都合のいい理由を見つけて逃げたくなった時がありました。
そんな時、逃げて後悔しないか?自分の気持ちと向き合ってください。
最後に先生と5期生へ
来年の受験生のために受験会場の情報を収集しよう!と仲間意識の強い5期生と受講できてよかったです。
笠木を缶の蓋みたいにカポッとした物と表現したど素人を見捨てず、合格まで導いてくださった先生
本当にありがとうございました。
心から感謝しています。