「自分にとって最端な方法」 ichi
第15期生のichiと申します。社会人4年目の会社員です。
二級建築士試験は2年目に最端製図さんに出会い、
3年目に学科合格、4年目に製図合格しました。
寄り道だらけの4年間でしたが、
これから試験に挑戦する方へ何か力になればと思い筆を取らせて頂きました。
拙く長い文章ですが、お役に立てれば幸いです。
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<学科試験・1年目>
社会人1年目の春、大学に営業に来ていた大手資格学校に
なんとなく通い始めた私は、担当の営業さんの「女の人は施工苦手ですよね!」
という心無い一言ですべてのやる気をなくしていました。
モチベーションが下がったまま、慣れない仕事で疲れ切った体で
日曜日の丸一日を資格学校に費やすのも厳しく、講義を休みがちになってしまいました。
試験当日もやる気は上がらず、うだうだと受験。
昼休みに少しお手洗いで席を外した隙に、
机の上に置いたままにしていたマーキング済の法令集が盗まれてしまいました…。
※後々聞いた話ですが、マーキング・インデックス済の法令集は
試験会場で盗難に遭いやすいそうです。試験会場での荷物管理はしっかりと!※
テンションが下がりまくったまま受けた午後の構造・施工は 散々な出来だったと記憶しています。
結果は、不合格。
4年にわたる二級建築士受験はこんな低空飛行で幕を開けました。
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<学科試験・2年目>
失意の中、負けず嫌いの私は絶対に独学で受かると決意。
2年目以降は会社近くのレンタル自習室を契約し、
自習できる環境で独学する方法に切り替えました。
主に最端製図の講義解説ノートをベースに勉強を進めました。
申込自体は1月にしていたのですが、
3月末が繁忙期のため勉強に取り掛かり始めたのは4月からでした。
最初はスマホの小さい画面で講義ノートを見ながら
ノートに書き写したりしてこつこつ勉強していたのですが、
飽き性なのであまり捗らずによく投げ出していました。
ある日突然「iPadで直接書き込んで解けばいいのでは?」と思い立ち、
その足で自転車を飛ばし、アップルストアでiPadと専用ペンのapple pencilを衝動買い!
決して安い買い物ではなかったですが、
講義ノートすべてをiPadに入れているため重い教材を持ち運ぶ必要がないこと、
何度も繰り返し解くことができるので、
今まで捗らなかった勉強が何倍も進むようになりました。
ただ、法規は元々調べものが大好きなので早い段階で攻略できたのですが、
他3科目は要領が上手くつかめずに大苦戦…。
学科試験本番はiPad作戦が功を成して法規は良い点数でしたが、
他3科目が追い付かずに2年目も不合格でした。
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<学科試験・3年目>
3年目は心を入れ換え、4月からの3か月間は娯楽を断ち切って集中することにしました。
iPad勉強作戦もより強化して挑みました。手順はこんな感じです↓
・教材についてくる進捗表をもとに、
各ノートをひとまず3週することを目標にスケジュールを組む
・学科クラブで配布されている講義ノートPDFをiPadのアプリに読み込み、
各単元を3個ずつコピーして1周目用、2周目用、3周目用とする。
・単元ごとに講義ノートが計120単元あったので、
単純計算で120×3÷90日で、一日当たりだいたい4項目ずつ進める。
・講義ノートを1回解き終わるごとに進捗表に日付を書き込む。
実際は予定通りにはいかず、
サボったり逆に多く進めたりでまちまちでしたが、6月上旬に1周目が完了。
2,3周目は過去問を解いたときに間違えた分野や
★が多いものを優先して繰り返し解くようにしました。
手書きのほうが効率がよさそうな分野は適宜印刷も併用して解き進めました。
特に構造の計算問題は紙に手書きのほうが捗る気がします。
通っていた自習室のスタッフさんが勉強の進捗などを見てくださる方だったので、
毎日ここまでやったよ!というのをスタンプ帳に書いて
スタッフさんに押してもらう作業が個人的には効きました。
自分が宣言したぶんはやらなきゃかっこわるい…という
追い込み感がかなり効いたと思います。
学科試験当日の記憶は実はあまり残っておらず…。
何度も悩んで書き換えた問題に限って間違えてたりして
非常にスリリングな自己採点でしたが、なんとか合格点に乗り上げました。
苦手だった構造・施工は足切りギリギリ13点でした…。
(学科合格時に先生にお送りした進捗表です。今見返すと法規は2周目やってませんね…)
その後燃え尽きてしまい、最端さんの製図後半戦を受けてはいましたが、
〆切寸前まで手を付けれない始末でした。
こうして3年目の製図は不合格に終わりました。
ランクⅡではあったので、また来年頑張ろう!と覚悟を決めました。
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<製図試験・4年目>
4年目の春です。
今年は製図に集中して頑張るぞ!と意気込んだのも束の間、
誰も予想だにしなかったコロナ禍の到来で、
二級建築士試験どころではなくなってしまいました。
自習室に通うどころか外出すら気軽にできない状態で、
楽しみにしていた春のイベントごとも軒並み中止になりテンションは下がりまくりです。
時間だけはあったのに製図版に向き合う気力が湧いてきません。
毎晩のように友人たちと通話しながらゲームをしたりオンライン飲み会をしたりと、
自粛期間は本当にだらだら過ごしていました。
本格的に製図対策に取り掛かりはじめたのは5月頃から。
ためにためてしまっていた前半戦の課題をばたばたと取り組みながら、
ふと通話仲間の友人に「製図している間、通話繋いでてもいい?」と提案。
無言で黙々と課題を進める私をスマホ越しに見守ってもらうことにしました。
大学の専攻も仕事も全く建築に関係のない友人たちでしたが、
製図対策への理解は早く、興味を持って色々試験の内容について
質問をしてくれたのが効きました。
勉強において、自分が理解できていないことは説明できません。
何も知らない人に丁寧に説明できるようになることは
何よりも身につくなあと思った瞬間でした。
とは言え今年はステイホーム。誘惑の多い自宅学習一本で頑張らねばいけません。
ついつい長時間眺めてしまうTwitterなどSNSはアカウントを厳選してログアウトし、
勉強したよ!と投稿して友人たちに見守ってもらいました。
つい触ってしまうゲーム機はYouTubeをつけておいて
「カフェのBGM」「波の音」「焚火の音」など環境音を流し続けていました。
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そんな体制で迎えた後半戦。
課題をためすぎた前半戦のスタイルを反省し、
できる限り〆切より早く投函することを心掛けました。
基本的に、
課題→やり直し→模範解答or参考図のトレース→課題→やり直し→トレース…
のサイクルで、とにかく毎日製図版に向かうようにしました。
今年から突然復活した難敵「矩計図」にとってもプレッシャーを感じていましたが、
神無先生から大丈夫ですよ、とコメントを頂いて落ち着いて覚えることができました。
エスキースコードに記載の矩計図の名称のところだけを消して、
たくさん印刷し、持ち歩いては暇な時間に書き込んで覚えました。
課題ですが、
特別練習課題まで入れると難易度や種類が程よくばらけていて、
短期集中型の私にはとっても効きました。
びっしり書かれた問題解説書も読みやすく、
それに加えて動画解説もあったので至れり尽くせりでした。
第四課題を始めとして何回か出題されたバルコニーが難敵で、
動画解説を見て初めて理解をしたので、動画解説が無ければ合格できなかったと思います。
添削はズバッとした指摘コメントも多かったですが、本当によく褒めてくださり
モチベーションの維持につながりました。
最端の先生方からも「綺麗な図面ですね」と書かれていると
飛び上がるくらいうれしかったです。
いつも綺麗な図面だなあ…と眺めていた掲示板の参考図のコーナーに
初めて掲載された時や、第四課題の「このレベルなら合格点です」と
神無先生からコメントをもらったこと。
これらが少しずつ自信に繋がりました。
最端製図は小さな成功体験をたくさん積み上げてくれる場ですね。
そして、夜中に通話しながら「課題終わらないよ~~!!」と
泣き言を言う私を励ましてくれた友人たちや、
SNSにアップした図面に積極的に反応をくれた友人たちが居なければ
絶対に合格できなかったと思います。この場を借りてありがとうございました。
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<製図試験本番>
感染症対策からか、昨年度よりも遠い会場だったので、
念のため前日に会場下見に向かいました。
当日の朝は電車から大きな製図版を抱えた人が大勢いて、
プレッシャーに押しつぶされそうになりながら
イヤホンで好きな曲を聞いて心を落ち着かせていました。
最寄のバス駅の一つ手前で一人の受験生が降りたことで
つられて全員降りてしまい、隣に座っていた女性と思わず目を見合わせました。
次の駅ですよね?って質問に「昨日下見来たんで!」と答えられたのは
とても心強かったですし、人と話せて少し緊張が和らぎました。
そんなこんなで無事会場にたどり着きました。
大学の大教室だったので椅子と一体になった小さい机を覚悟していたのですが、
運よく最後列に増設された会議机で椅子もパイプ椅子でした。
絶対に勝つぞ…!という気持ちで直前に作ったチェックリストを見返します。
特に漢字がとっても弱いので、「窯業系サイディング」という漢字を
スマホで見ながら何度も書いておさらいしました。
(結果的に乾式工法が出たのでビンゴでした)
そうこうしてるうちに試験スタートです。
ざっと見た感じ大きなサプライズはありませんでしたが、
簡単そうなのにエスキスが全然まとまらなくて一時パニックに。
先生の保険プラン術を思い出して何度も深呼吸して、手を動かしました。
バルコニーが三つもある…と頭が真っ白になりましたが、
課題で何度かやったことを思い出して気合でエスキスを進めました。
第四課題で矩計図とバルコニーについて質問した時に
「複雑なので出来る限りバルコニーが無い所で切りましょう」と回答を頂いていたので、
あえて南面にバルコニーが無い場所を作りました。
結果いつもよりも複雑めなプランになってしまったので、
伏せ図の下書きをいつもより丁寧めに。
エスキス時間は10分オーバーの70分でしたが、
その時点で作図に入っていない人も多かったので
心を落ち着けながら平面図にとりかかりました。
小部屋が多く、作図も非常に難航しました。
手が震えるので字が崩れて何度も書き直した場所もありました。
伏図を書いているときに、2階平面の平屋屋根伏図が
大きくズレてることに気づいて震えあがったり…。
最後のチェックも重要ですが、書いてる最中に気付くのもとても大事ですね。
エスキス、平面図、伏図ともに迷走に迷走を重ね、いつもより苦戦する中、
本番で突然覚醒して(!)矩計図を35分で書き上げました。
おかげで余裕をもってチェック時間を取ることができました。
矩計図(部分詳細図)は唯一事前に準備できる図面なので、
早く書けるようになって損はない…とはよく言いますが、
本番でここまで真価を発揮するとは思いませんでした…。
30分取ることができたチェック時間。
あまりにも汚かった平面図や伏図をできる範囲で綺麗に書き直し、
すっかり忘れていた立面図の庇を書き込み、問題文と照らし合わせて抜けがないか確認し…
バタバタとしているうちに試験終了の合図がかかりました。
当日の最終的な時間配分はこんな感じでした。
エスキス 70分
平面図 100分
伏図 35分
矩計図 35分
立面図 15分
要点・面積 15分
チェック 30分
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大きなミスもしていないはずだし、大丈夫…!!と思いながら帰宅。
封印していたTwitterを解禁してだらだらスマホタイムを謳歌しました。
まだ脳みそが試験一色なので、何気に検索欄に「二級建築士」と入れると
「バルコニー」と候補が表示されました。
それを見た瞬間、延べ面積からバルコニー分の面積を引き忘れたことを
突然思い出しました。記憶って面白いですね…。
課題で何度も指摘されてもう絶対に間違えない!と意気込んでいただけに
不安になってすぐ掲示板で質問しました。
減点はされますが大きなミスではないですよ、と先生がすぐに返信をくださって
だいぶ不安が和らぎました。
今年の課題はバルコニーが一つのポイントだったように思います。
課題解説を見ていなかったら私も絶対にバルコニーで躓いていたので、
九死に一生を得たという感じでした…。
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合格発表までの3か月間はあっという間でした。
今までで一番頑張ったし、受かってるといいな~…と思いながらも
なるべく二級建築士のことは忘れて過ごすようにしました。
(ただ前日の夜だけは番号がある…!という夢を見たので脳って正直ですね)
合格発表当日。9時半発表と聞いていましたが
スマホからは重くてつながらなかったので、
10時頃に会社のパソコンから番号を探しました。
番号を見つけたとき、思わずデスクで涙が…。
4年分の苦労が実った瞬間でした。
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<試験を終えて>
自分にとって何が最端であるか、考え続けた4年間でした。
一般的に資格学校に通わないと受からない、
通った方が絶対に効率が良いとされている二級建築士試験ですが、
合格をつかみ取った今、自宅や自習室でわからないところは質問しながら
自分のペースで進めることが私にとって何よりも合格への近道だったと断言できます。
そういった選択肢を与えてくださった最端製図さんには感謝の思いでいっぱいです。
〇周りの人に二級建築士の勉強していると公表し、
応援してもらいながら周囲をいい意味で巻き込むこと。
〇働きながらの勉強は厳しくつらい道のりなので、
自分のご機嫌をコントールすること、モチベーションの維持を第一にすること。
〇わからないことがあればすぐ質問用紙や掲示板で確認すること。
この三つを守り続ければ、確実に合格に近づくことができると思います。
膨大な建築士登録の書類一覧を見ながら、
資格取得はゴールではなく、スタート地点であることを実感しました。
この成功体験を胸にこれからも自分なりに頑張りたいです!
本当にお世話になりました。ありがとうございました!!
2020年12月 ichi